『銃・病原菌・鉄』で読む歴史

概要
なぜ征服したのがスペイン人で、されたのがインカだったのか。ダイアモンドは答えを人ではなく大陸の形に求めた。
この物語について
なぜ、海を渡ってきて相手を征服したのはスペイン人で、征服されたのはインカの人びとだったのか。逆ではなかったのはなぜか。『銃・病原菌・鉄』(ジャレド・ダイアモンド、1997年、日本語版2000年)は、この問いに人の優劣ではなく、大陸の形と、そこにたまたまいた植物と動物で答えようとした本である。

話の入り口は、1972年のニューギニアの海岸になる。鳥類の研究で島に通っていた著者に、地元の政治家ヤリが尋ねた。あなたがた白人はたくさんの物を作ってここへ持ち込んだが、私たちニューギニア人には自分たちの物がほとんど無い。それはなぜか。著者はこの単純な問いに、長い年月をかけて答えようとした。本は翌年ピューリッツァー賞を受け、世界で広く読まれた。
本はまず、時計を1万3000年前まで戻す。ホモ・サピエンスの出現のあと、人はアフリカを出て各地に広がった。オーストラリアとニューギニアがまだ一つの陸塊だったサフルへは、海を越えなければ着けない。本はサフルへの渡海を4万年前としたが、その後の発掘と年代測定で、もっと古く見る説が強くなっている。南北アメリカに人が入ったのは最終氷期の終わりごろで、本はこの時点で、南極を除くすべての大陸に人がそろったと見る。スタートラインは同じだった、というのが本の出発点になる。
違いは、そこから先の1万年で開いた。最初の分かれ目は食べ物である。西アジアの農耕の始まりの舞台になった肥沃な三日月地帯には、小麦や大麦のように粒が大きく、自分で実をつけて育てやすい野生の草が多く生えていた。大型の草食獣で家畜になったのは、羊・山羊・牛・豚・馬など主なもので14種しかなく、そのうち13種がユーラシアの動物で、アメリカ大陸の側にはラマとアルパカしかいなかった。ユーラシアには最初から、栽培と家畜化に向いた材料がそろっていた。
アメリカ大陸の主作物のトウモロコシは、祖先のテオシントが小さな穂しか持たない草で、人が何千年もかけて選び続けてようやく今の形になった。トウモロコシの栽培化の遅さは、新大陸の農耕が遅れた理由の一つとして本に出てくる。家畜にできたかもしれない大型の動物は、人がアメリカ大陸に着いてから間もなく姿を消していた。アメリカ大陸の大型動物の絶滅の原因を、本は人の狩りに重く見るが、気候の変化を重く見る研究者も多く、ここはいまも議論が続いている。
ニューギニアの高地では、独自に農耕が始まっていた。タロイモやバナナ、サトウキビを育て、湿地に排水路を掘る。ただ、穀物と大型の家畜が無かった。ニューギニア高地の農耕はヤリの問いへの答えの一部になる。ニューギニアの人びとが劣っていたのではない。手元にあった植物と動物が、余剰を大きく積み上げるには向いていなかった。
家畜の章で本は、なぜシマウマは家畜にならなかったのか、と問う。馬とよく似ているのに、気性が荒く、かみついたら離さず、投げ縄をかわすのがうまい。家畜になるには、餌、成長の速さ、飼育下での繁殖、気性、群れの序列など、いくつもの条件を全部満たさなければならず、一つでも欠けると失敗する。本はこれをトルストイの小説の書き出しになぞらえて「アンナ・カレーニナの原則」と呼んだ。馬の家畜化の場所と年代については、本が挙げたウクライナの遺跡の証拠がのちに疑われ、2021年の遺伝学の研究は、いまの家畜馬の系統が紀元前2200年ごろ黒海の北の草原から広がったとしている。本の事実のほうが書き換わった例の一つである。

二つ目の分かれ目は、大陸の向きになる。ユーラシアは東西に長い。同じ緯度なら日の長さも季節もほぼ同じなので、西アジアで栽培化された作物はギリシアにもインダスにも、比較的たやすく広がった。南北アメリカとアフリカは南北に長く、途中に砂漠や熱帯の森が挟まる。メキシコのトウモロコシがアンデスに届かなかったわけではないが、時間がかかった。作物も家畜も技術も、東西の軸に沿ってなら速く伝わる、と本は言う。
アフリカで同じ問題を扱うのが、バントゥー系の拡散の章である。西アフリカの農耕民の言葉が、数千年かけて大陸の東と南に広がった。そのアフリカの沖の大きな島には、意外にもアジアの側から人が来た。マダガスカルの言葉はボルネオ南部の言葉に近く、マダガスカルへの到達は、オーストロネシア語を話す人びとがインド洋を越えて来たことを示している。

太平洋は、同じ祖先から出た人びとが環境によってどれだけ違う社会になるかを見せる実験場として使われる。ラピタ土器を残した人びとの子孫が、ポリネシア人の太平洋拡散で太平洋のほぼ全域に散った。大きな島では首長国や王国が育ち、小さな島ではそうならなかった。そのいちばん鋭い例として本が第2章に置くのがモリオリの征服である。ニュージーランドの東のチャタム諸島に渡ったポリネシア人は、農耕のできない寒い島で狩猟採集に戻り、争いを抑える掟を持つモリオリの社会を作った。1835年、ニュージーランド本土から船で渡ってきたマオリの集団がモリオリを襲い、殺し、奴隷にした。同じ祖先の人びとが数百年で、農耕と戦士の社会と、狩猟採集と和解の社会に分かれていた。
三つ目の分かれ目が、病原菌である。家畜と密に暮らし、人が都市に集まると、動物の病が人に移り、人から人へ広がり続けられるようになる。ユーラシアの人びとは天然痘や麻疹で何度も大きな犠牲を払いながら、免疫と、病と共に暮らす仕組みを手に入れた。アメリカ大陸の人びとには、その経験が無かった。天然痘は1520年、スペイン側の遠征隊とともにメキシコへ入った。天然痘のアメリカ大陸上陸である。病はテノチティトランの陥落の前に都の人口を大きく減らした。アンデスでも、スペイン人が来る前に天然痘とみられる病が広がり、インカの皇帝が死んで後継をめぐる内戦が起きていた。本の題の三つの言葉のうち、多くを殺したのは銃ではなく病原菌だった、というのが本の主張の中心にある。

そして話は、本の出発点のカハマルカに戻る。1532年11月、フランシスコ・ピサロは168人のスペイン人を連れてアンデスの町に入り、内戦に勝ったばかりのアタワルパを広場で捕らえた。皇帝のまわりには数万の兵がいたとされる。アタワルパは自由と引き換えに部屋を金で満たすと約束し、実際に財宝が集められたが、翌年処刑された。カハマルカの戦いで勝負を分けたものとして本が並べるのは、鋼の剣と鎧、馬、文字、そしてすでに広がっていた疫病である。スペインの側には、ヨーロッパの先例を記録で知っている者がいた。インカの側には、海の向こうから来る者についての知識が無かった。
文字は、余剰の食料と職業の分化がある社会にしか生まれない、と本は言う。独立に文字が作られたのは、メソポタミアの楔形文字、中国の甲骨文字、メソアメリカなど、ごくわずかな場所だけだった。あとは借りられて広がった。東地中海で生まれた文字からアルファベットの成立へ至る流れは、一度作られた仕組みが言葉の境を越えてどこまでも借りられていった例である。いちばん分かりやすい例として本が挙げるのは、1821年のチェロキー文字の完成になる。英語を読めなかったセコイアは、白人が紙の上の印で言葉を残していることを知り、それだけを手がかりに、チェロキー語の音節を表す文字を一人で組み上げた。文字というものがある、と知ることが決定的だった。

発明についても、本は「必要は発明の母」という言い方を逆にする。発明が先に生まれ、使い道は後から見つかることが多い。グーテンベルクの活字印刷も、それより前の東アジアの活字も、それを受け入れて広げる社会があるかどうかで運命が分かれた。
最後の問いは、なぜユーラシアの中でもヨーロッパだったのか、になる。中国は早くから作物も家畜も文字も鉄も持っていた。本は、中国が地形のまとまりのおかげで早く一つになったことを挙げる。秦の中国統一以後、中国はほとんどの時代、一つの宮廷が全体を決めてきた。15世紀の初め、鄭和の大艦隊はインド洋を越えてアフリカの東岸まで達したが、宮廷の方針が変わると鄭和の南海遠征は打ち切られ、外洋船の建造も途絶えた。一つの決定で大陸全体が止まった、と本は見る。一方、山と半島と島に分かれたヨーロッパには競い合う国が並び、コロンブスは何人もの君主に断られたあと、スペインの女王の援助を得て大西洋を渡った。本はこれを分かれていることの強みとして書いている。

旧世界と新世界がコロンブスの到達でつながったあと、起きたことは早かった。エルナン・コルテスはモクテスマ2世のアステカを、ピサロはインカ帝国を倒し、スペイン帝国が新大陸に広がった。人の減った土地を埋めるために大西洋奴隷貿易が始まり、1788年のオーストラリアへの入植で、4万年以上そこに暮らしていた人びととヨーロッパ人が出会う。19世紀の太平洋では、島の人びとを農園の労働力として半ば強制的に連れていくブラックバーディングも起きた。どれも、1万年かけて開いた差が一度に表に出た場面である。
本の説には、出た当時から批判が多い。地理で決まると言い切るのは、人の選択や制度、偶然の役割を軽くしすぎる、という環境決定論への批判がその代表になる。ヨーロッパが勝った理由を説明することで、征服を自然なことのように見せてしまう、と人類学者から言われた。タスマニアの孤立のあと、島の人びとが骨角器や漁労を失ったという本の書き方にも、証拠の読み方への反論がある。経済学では、同じ地域どうしの豊かさの差を制度で説明する『国家はなぜ衰退するのか』のような本が、正面から対立する立場を取った。その本も、この年表に物語物語「『国家はなぜ衰退するのか』で読む歴史」として並べてある。
それでも、この本の問いの立て方は残った。なぜ世界はこの形なのかを、1万年の幅で、大陸ごとに比べて考えるという方法は、のちの「大きな歴史」の本の多くに受け継がれている。日本語版には、日本人の起源を扱う章も加えられ、縄文土器の時代から弥生の稲作へという列島の話が、同じ枠組みで語られる。
この物語は、本が例に使ったできごと・人物・国を、このデータベースの側から並べ直したものである。各項目の役どころには本がそれをどう使っているかを書き、できごとのページには扱っている章を史料として付けた。本文は写していない。本の中で使われた事実がその後に書き換わったところは、本の記述と新しい知見を両方書いた。ヤリの問いは、いまも完全には答えられていない。ただ、答えを人の優劣に求めない、という出発点だけは、この本以後、多くの人に共有されるようになった。
動画(3)
この物語が起きた場所
筋(46)
年代順に並べてあります。役どころが書いてあるものは、なぜこの物語に含まれるかを添えました。
- ホモ・サピエンスの出現できごと約30万年前(ジェベル・イルード)〜20万年前(オモ・キビシュ)第1章のスタートラインの手前2017年、モロッコの骨が30万年前と分かり、種の年齢は10万年伸びた。どこか一か所で生まれたのではなく、アフリカのあちこちで並行して形になった、という見方に変わりつつある。ジェベル・イルード
- サフルへの渡海できごと約6万5000年前(5万〜7万年前と幅がある)本は4万年前とする。船で渡ったことの意味を第1章と第15章で扱う氷期でも、この海は陸続きにならない。最低でも数十kmを船で渡ったことになる。人類が意図して外洋を越えた、最も古い証拠になる。マジェドベベ
- アメリカ大陸への到達できごと約1万6000年前(2万3000〜1万5000年前と幅がある)第1章。1万3000年前、すべての大陸に人が揃ったシベリアからアラスカへ渡り、数千年で大陸の南端に達した。人類が住み着いた最後の大陸で、ここから先は海の島だけになる。モンテ・ベルデ
- 縄文土器できごと紀元前140世紀日本語版のための章が、日本人の起源を扱う世界最古級の土器。農耕を始めていない狩猟採集の集団が作っており、土器=農耕という順序は成り立たない。縄文の日本列島(位置は特定されていない)
- アメリカ大陸の大型動物の絶滅できごと約1万2500年前家畜にできたはずの動物が、人が着いた直後に消えたマンモス、地上性のナマケモノ、剣歯虎。人が着いてから2000年ほどで、大型哺乳類の属の大半が消えた。オーストラリアで起きたことが、もう一度起きている。ブラックウォーター・ドロー
- ギョベクリ・テペできごと紀元前95世紀農耕が始まる前に、狩猟採集の人びとが巨石を立てて何かを建てた。神殿が先で村が後だった可能性が出てくる。ギョベクリ・テペ
- 農耕の始まりできごと紀元前90世紀肥沃な三日月地帯に、栽培できる草と家畜にできる獣が揃っていた麦を蒔き、羊を囲った。栄養は偏り、身長は縮み、病気は増えた。それでも人口は桁違いに増える。肥沃な三日月地帯(位置は特定されていない)
- タスマニアの孤立できごと約1万年前孤立した小さな集団は、技術を失うことがある海面が上がって本土と切れ、数千人が1万年、誰とも会わずに暮らした。骨の釣り針も、そのあいだに使われなくなった。タスマニア(位置は特定されていない)
- トウモロコシの栽培化できごと約9000年前新大陸の主作物は、作るのに数千年かかった実が指ほどしかない野生のテオシントから、数千年かけて作った。新大陸で農耕の立ち上がりが遅れた理由の一つに挙げられる。バルサス川流域(位置は特定されていない)
- 馬の家畜化できごと約5500年前(ボタイ)〜4200年前(黒海北岸の草原)なぜシマウマは家畜にならなかったのか、の章大型の草食獣148種のうち家畜になったのは14種で、馬はその中で最も戦争と交通を変えた。シマウマはならなかった。ボタイ(位置は特定されていない)
- 楔形文字の成立できごと紀元前32世紀文字を作った側最初に書かれたのは詩でも法でもなく、麦とビールの帳簿だった。文字は数えるために生まれている。ウルク
- ニューギニア高地の農耕できごとこの年表より前から(およそ1万年前に始まる)農耕はあったが、家畜と穀物が無かった世界で独立に農耕が始まった数少ない場所のひとつ。タロイモとバナナを育てる排水路の跡が残る。ニューギニア高地(位置は特定されていない)
- ラピタ土器の広がりできごとBC1500年太平洋へ出た人びとの足跡同じ文様の土器がニューギニアからトンガまで点々と現れる。太平洋へ出ていった人々の足跡そのもの。ラピタ(トンガ)(位置は特定されていない)
- 甲骨文字できごと紀元前13世紀独立に作られた文字の一つ亀の甲羅を焼いて割れ目で占い、問いと答えを彫りつけた。漢字はここから続いている。殷墟(安陽)

- アルファベットの成立できごとBC11世紀頃一度作られた文字は、借りられて広がる数百の記号を覚えなければ書けなかったものが、22の子音字で書けるようになった。書くことが書記の専門職から離れる。ギリシア文字もラテン文字もアラビア文字もヘブライ文字も、ここから枝分かれしている。ビブロス
- ポリネシア人の太平洋拡散できごとBC1000年頃〜AD1300年頃同じ祖先が、島ごとに違う社会になった星と波とうねりを読んで、地球の3分の1に及ぶ海域に渡った。地図も羅針盤も無しに、人類最大級の移住をやってのけた。ラピタ(トンガ)(位置は特定されていない)
- バントゥー系の拡散できごとBC1000年アフリカはいかにして黒人の世界になったか、の章農耕と製鉄を携えてアフリカ大陸の南半分へ広がった。いまの言語分布の骨格を作る。キンシャサ

- 秦の中国統一できごとBC221年中国が早く一つになれた理由を地形に求める戦国の争いを制して中国が初めてひとつになった。度量衡・文字・車軌が揃えられる。咸陽
- 秦国BC221年(統一) – BC206年戦国を制して中国を初めて統一した王朝。度量衡と文字を統一し、長城を築いたが、始皇帝の死後わずか数年で崩れた。
- マダガスカルへの到達できごとAD5〜8世紀アフリカの沖の島に、アジアから人が来たアフリカの沖の島に最初に住み着いたのは、6000km東のボルネオから来た人びとだった。いまの言葉がそれを示している。マダガスカル(位置は特定されていない)

- アオテアロアへの到達できごとAD1300年頃ポリネシア人が人類の定住地として最後の大きな島に着いた。マオリの社会が始まる。アオテアロア(位置は特定されていない)
- 明国AD1368年 – AD1644年艦隊をやめた側元を北へ追い、漢人の王朝が戻った。鄭和の艦隊を七度出したあと海を閉じ、長城を築き直して内に向かう。
- 鄭和人物AD1371年 – AD1433年頃雲南のムスリムの家に生まれ、少年で去勢されて宮廷に入り、七度の大航海を率いた。旗艦はコロンブスのサンタ・マリア号の数倍あったとされる。
- グーテンベルク人物AD1400年頃 – AD1468年金属活字による印刷を実用にした。考えが広がる速さが、この一手で変わる。
- 鄭和の南海遠征できごと1405年一つの国が艦隊をやめると、大陸ごと止まる。エピローグの例七度の航海で数百隻の船団がアフリカ東岸まで達した。植民も征服もせず、朝貢の関係を結んで帰る。だが事業は打ち切られ、記録の多くも失われた。海は他者に委ねられる。南京
- アステカ国AD1428年(三国同盟) – AD1521年(テノチティトラン陥落)メキシコ盆地の三つの都市が結んだ同盟。征服した土地を直接治めず、貢納を取る形で広げた。100年足らずでスペイン人と天然痘に倒れる。
- インカ帝国国AD1438年(パチャクテク即位) – AD1533年(アタワルパの処刑)文字を持たないまま、南北4000kmを道と結縄(キープ)で束ねた。95年で最大になり、内戦の直後に180人足らずのスペイン人に倒される。
- モアの絶滅できごとAD15世紀飛べない鳥の9種すべてが、人の到着から一世紀ほどで消えた。人類が最後に着いた大きな島で、同じことが三度目に起きた。アオテアロア(位置は特定されていない)
- コロンブス人物AD1451年頃 – AD1506年アジアを目指して西へ渡り、別の大陸に着いた。本人は最後までインドだと信じていた。
- グーテンベルクの活版印刷できごとAD1455年頃発明は必要の母である、の章書物が手写しから機械の複製になった。考えが広がる速さが根本から変わる。

- モクテスマ2世人物AD1466年頃 – AD1520年アステカ最後の全盛期の王。コルテスを迎え入れ、その混乱のなかで死ぬ。
- フランシスコ・ピサロ人物AD1478年頃 – AD1541年6月26日内戦で弱っていたインカを200人足らずで倒した。自身も仲間割れで殺される。
- エルナン・コルテス人物AD1485年 – AD1547年12月2日数百人でアステカを崩した。決め手は武器よりも、現地の反アステカ勢力と持ち込まれた疫病だった。
- コロンブスの到達できごとAD1492年10月12日旧世界と新世界の遭遇二つの大陸が結ばれた。人・作物・家畜・病原体が行き来し、両側の世界が作り替えられる。サン・サルバドル島(位置は特定されていない)
- スペイン帝国国AD1492年(グラナダ陥落とコロンブスの航海) – AD1898年(米西戦争で最後の海外領土を失う)アメリカ大陸の銀を運び、太平洋を横断する定期航路を持った最初の帝国。その銀は中国まで流れ、世界の物価を動かした。19世紀に大陸の領土をほぼ失う。
- アタワルパ人物AD1502年頃 – AD1533年7月26日捕らえられ、部屋一杯の金を渡し、それでも殺された内戦に勝った直後にピサロに捕らえられた。部屋を埋める金を渡したが、処刑される。
- 天然痘のアメリカ大陸上陸できごとAD1520年銃より病原菌が多くを殺したスペイン人より先に、病が帝国を崩した。免疫を持たない大陸で、人口の大半が一世紀のうちに失われる。テノチティトラン
- テノチティトランの陥落できごとAD1521年アステカが滅びた。決め手は武器よりも、持ち込まれた疫病だった。テノチティトラン

- 大西洋奴隷貿易できごと1526年1200万人以上がアフリカから大西洋を越えて運ばれた。三つの大陸の人口と社会が、この一つの流れで作り替えられる。ベニンシティ

- カハマルカの戦いできごとAD1532年11月16日第3章。本の問いはこの日から始まる168人のスペイン人が、数万の軍の目の前で皇帝を捕らえた。スペイン側の死者はいない。ダイアモンドはこの日を本の問いの出発点にする。カハマルカ

- インカ帝国の滅亡できごとAD1533年内戦で弱っていたところを、200人足らずのスペイン人に崩された。クスコ
- セコイア人物AD1770年頃 – AD1843年8月頃文字というものがある、と知るだけで足りた読み書きのできない銀細工師が、白人の「話す紙」を見て、12年かけてチェロキー語の音節文字を作った。数年で部族の大半が読めるようになる。
- 第一船団のボタニー湾到着できごとAD1788年1月26日オーストラリア先住民とヨーロッパ人の出会いアメリカを失って、囚人を送る先がなくなったイギリスが、クックの報告した土地へ11隻を送った。囚人778人、海兵と家族、8か月の航海。ボタニー湾は水が悪く、北のポート・ジャクソン(シドニー湾)へ移って、1月26日に旗を立てた。「オーストラリア・デー」。先住民にとっては「侵略の日」。80年で16万人の囚人が送られ、天然痘と土地の収奪で先住民の人口は激減した。シドニー
- チェロキー文字の完成できごとAD1821年文字を借りた側の、いちばん分かりやすい例文字というものがある、と知っただけの男が、12年かけて85字の音節文字を作った。文字を「借りた」側の、いちばん分かりやすい例。ニュー・エコタ

- モリオリの征服できごとAD1835年第2章。同じ祖先を環境が分けた争いを捨てていたモリオリを、同じポリネシア人の子孫であるマオリが数日で殺し、残りを奴隷にした。同じ祖先を環境が分けた例として、本の第2章に置かれる。チャタム諸島(位置は特定されていない)
- ブラックバーディングできごと1863年太平洋の島々から、6万人以上が騙されるか攫われるかしてクイーンズランドやフィジーの農園へ運ばれた。奴隷貿易ではないという建前で、40年続いた。スバ

重なっているストーリー
同じできごとや人物を含む物語です。何件を共有しているかを添えました。
『サピエンス全史』で読む歴史26件を共有 / ハラリが人類史を三つの革命で切った本。その筋に沿って、このデータベースの項目を並べ直す。接触前のアメリカ12件を共有 / 旧大陸と行き来のないまま、農耕も都市も国家も別々に生まれた。3000年ぶんの、独立した実験。大航海時代11件を共有 / 海が壁ではなく道になった。二つの大陸が結ばれ、世界がひとつの市場になっていく。探検と発見11件を共有 / 地平線の向こうに何があるかを、確かめに行った人たちの記録。文明のはじまり10件を共有 / 農耕も都市も文字も、離れた場所で別々に始まった。そして始まった順序は、思っているのと違う。『1491』『1493』で読む新大陸8件を共有 / コロンブス以前のアメリカは人の少ない原野ではなかった。以後の世界は、生き物の大移動でできている。中国の王朝6件を共有 / 殷から清まで3000年。王朝は替わっても、同じ型で替わり続けた。『国家はなぜ衰退するのか』で読む歴史6件を共有 / 国境をひとつ挟んで豊かさが違うのは、地理でも文化でもなく制度のせいだ、という本。2024年のノーベル経済学賞の元になった。『世界史』(マクニール)で読む歴史6件を共有 / 文明どうしが接触し、借り、競い合うことで歴史が動く。世界を一つの物語として書いた最初の教科書。『収奪された大地』で読むラテンアメリカ6件を共有 / 500年の歴史を、何が持ち去られたかで書く。金、銀、砂糖、ゴム、コーヒー、銅、石油。海の歴史6件を共有 / 海は人と物と病と戦争を運び、人はその海を測り、守り、汚してきた。感染症と人類5件を共有 / 人が動くほど病も動いた。文明の広がりと感染の広がりは、同じ地図の上にある。技術と産業5件を共有 / 道具が人を変え、その人がまた道具を作った。速さが加速していく話。『疫病と世界史』で読む歴史5件を共有 / 歴史を動かしたのは王でも思想でもなく、目に見えない微生物だった、と最初に言い切った本。『繁栄』で読む歴史5件を共有 / 人類が豊かになったのは交換のおかげで、悲観する理由はいつも外れてきた、という本。反論側も付けてある。『反穀物の人類史』で読む歴史5件を共有 / 人が穀物を育てたのではなく、穀物と国家が人を囲い込んだ。最初の国家は、なぜ壁の内側に人を閉じ込めたのか。言葉と文字の歴史5件を共有 / 話す言葉を書き留める文字が生まれ、印刷と国家と機械が、言葉を広め、整え、ときに奪ってきた。帝国と独立4件を共有 / 数十年で世界の大半が数か国のものになり、また数十年で戻った。交易路とお金4件を共有 / 運ぶ/両替する/貸す。人と物が動くところには、いつも同じ仕組みが生えてくる。ムンディ先生の講義で学ぶ歴史4件を共有 / 高校の先生「ムンディ先生」が、世界史と日本史を200講ずつで通した授業の動画。ここに並ぶ項目には、その講の動画が付いている。民族移動の時代3件を共有 / 4〜6世紀、ユーラシアの東西で同時に人が動いた。ローマだけの話ではない。誰が書き残したか3件を共有 / 残っているものが全部ではない。誰の筆によるかで、同じ出来事が違って見える。『文明崩壊』で読む歴史3件を共有 / イースター島、マヤ、グリーンランドのノルウェー人。環境を使い尽くした社会と、そうしなかった社会。『万物の黎明』で読む歴史3件を共有 / 狩猟採集から農耕へ、村から都市へ、そして国家へ。その一本道の筋書きそのものが間違いだ、という本。『負債論』で読む歴史3件を共有 / お金は物々交換の不便から生まれた、という話は史料に無い。先にあったのは借りのほうだ、という本。『近代世界システム』で読む歴史3件を共有 / 国ごとの発展を比べるのをやめる。16世紀からずっと、世界は一つの分業の仕組みとして動いてきた、という本。『昨日までの世界』で読む伝統社会3件を共有 / 国家のない社会は、争いも子育ても老いも、私たちと違うやり方で扱ってきた。何を学べるか。中華の統一2件を共有 / 殷を倒した周から、初めて中国をひとつにした秦まで。800年かけて「天下」という考えが育つ。宗教改革と科学革命2件を共有 / 教会が独占していた「何が正しいか」の答えが、聖書と観測に明け渡されるまで。古代オリエント2件を共有 / 文字も法も都市も、まずここで生まれた。そして次々に主が入れ替わる2500年。主権はだれのものか2件を共有 / 王が決めるのか、議会が決めるのか、国民が決めるのか。800年かけて答えが動いた。考えることの歴史2件を共有 / 同じ数百年のあいだに、ギリシアでも中国でもインドでも、人が根本から考え直した。表現の歴史2件を共有 / 書いた人、描いた人、作った人。政治と戦争のあいだに、ずっと別の営みがあった。コテンラジオで聞く歴史2件を共有 / ポッドキャスト「コテンラジオ」が取り上げた人物とできごと。ここに並ぶ項目には、その回の動画が付いている。『暴力の人類史』で読む歴史2件を共有 / 人が人を殺す率は、狩猟採集の時代から今まで、長い目で見ればずっと下がってきた、という本。反論も多い。『地中海』で読む歴史2件を共有 / 歴史には三つの速さがある。ほとんど動かない時間、ゆっくり動く時間、そして事件。捕虜収容所で書かれた本。『中国の科学と文明』で読む技術の歴史2件を共有 / 中国には長い科学技術の蓄積があった。では、なぜ近代科学はそこで生まれなかったのか。『物質文明・経済・資本主義』で読む三つの層2件を共有 / 毎日の暮らし、市場での取引、そしてその上に乗る資本主義。ブローデルは経済を三層に分けた。『リオリエント』で読む世界経済2件を共有 / 1800年まで、世界経済の中心はアジアだった。ヨーロッパは、その列に遅れて並んだ客にすぎない。『史記』で読む中国2件を共有 / 2000年前に、一人の男が3000年ぶんを書いた。宮刑を受けてなお書き続け、以後の中国の歴史書の型になった。食の歴史2件を共有 / 何を食べるかは、誰が作り、どう運び、どう残すかで決まってきた。台所の外の仕組みの歴史になる。朝鮮半島1件を共有 / 大陸と島国のあいだで、独自の文字と技術を育てた1300年。都市の歴史1件を共有 / 人が密集して住むという異常な選択が、文明のほとんどを生んだ。『大分岐』で読む歴史1件を共有 / 1800年まで、長江下流とイングランドは同じくらい豊かだった。分かれたのは石炭と植民地のせいだ、という本。『想像の共同体』で読む歴史1件を共有 / 国民とは、会ったこともない人を同じ仲間だと思える想像力のことだ、という本。『ヨーロッパ覇権以前』で読む13世紀1件を共有 / 1250年から1350年まで、世界はすでに一つにつながっていた。ただし中心はヨーロッパではなかった。『地に呪われたる者』で読む脱植民地1件を共有 / 植民地支配が人の心に何をするかを、精神科医が診察室から書いた。36歳で死ぬ年に口述された本。『ホモ・デウス』で読む次の歴史1件を共有 / 飢餓と疫病と戦争を抑え込んだ人類が、次に何を目指すか。『サピエンス全史』の続編。『チーズとうじ虫』で読む一人の宇宙1件を共有 / 16世紀の村の粉挽きが、世界は腐ったチーズから生まれたと語った。裁判の記録から、一人の頭の中を復元する。『暴力と不平等の人類史』で読む格差1件を共有 / 格差を大きく縮めたのは、改革ではなく破局だった。戦争、革命、国家の崩壊、疫病の四つしかない、という本。『イタリア・ルネサンスの文化』で読むルネサンス1件を共有 / 「ルネサンス」という時代の像そのものを作った本。150年たっても、まだその像の中にいる。『砂糖の世界史』で読む世界商品1件を共有 / 一つの白い粒を追いかけると、カリブの奴隷とイギリスの朝食と産業革命が一本につながる。『黒い皮膚・白い仮面』で読む植民地の心1件を共有 / 支配される側が、支配する側の目で自分を見てしまう。27歳の精神科医が書いた最初の本。教育の歴史1件を共有 / 子どもが学校へ行くのが当たり前になったのは、ごく最近になる。誰が、誰に、何のために教えてきたか。差別の歴史1件を共有 / 線を引いて内と外を分ける。理屈は、たいてい後から付けられた。メディアの歴史1件を共有 / 誰が、どれだけ速く、何人に届けられるか。その力を誰が握るかをめぐる歴史になる。中田敦彦のYouTube大学で学ぶ歴史1件を共有 / 「中田敦彦のYouTube大学」が講義した世界史・日本史・偉人伝の人物とできごと。ここに並ぶ項目には、その回の動画が付いている。交通と旅の歴史1件を共有 / 人が速く遠くへ動けるようになるたびに、世界は狭くなり、旅は一部の人の冒険から誰もの楽しみになった。