概要
スペイン人より先に、病が帝国を崩した。免疫を持たない大陸で、人口の大半が一世紀のうちに失われる。
場所
テノチティトラン
19.43°N -99.13°E · メキシコ・メキシコシティ
19.43°N -99.13°E · メキシコ・メキシコシティ
本文
1520年、コルテスの援軍として来た船に、天然痘にかかった一人が乗っていた。 病はテノチティトランに入り、数か月で都の住民の大半を倒した。 そのころ、スペイン人は都から追い出されていた。 翌年に戻って包囲したとき、相手は既に半分になっていた。
インカには、スペイン人が着く前に病が届いた。 皇帝ワイナ・カパックと後継者がほぼ同時に死に、 残った息子たちの内戦のさなかにピサロが現れた。
天然痘、麻疹、インフルエンザ。 どれも家畜と密に暮らした人びとの病で、 牛も豚も馬もいなかった大陸には、免疫を持つ人が一人もいなかった。
接触前の人口は、いまも幅のある推定しか無い。 ただ、一世紀で9割近くが失われた地域があることは、ほぼ一致している。
逆方向に渡った病は、ほとんど無い。 ダイアモンドは、この非対称を本の一章にした。
出典(3)
ジャレド・ダイアモンド(倉骨彰 訳) 『銃・病原菌・鉄 一万三〇〇〇年にわたる人類史の謎』第11章 家畜がくれた死の贈り物
ウィリアム・H・マクニール(佐々木昭夫 訳) 『疫病と世界史』第5章 大洋を越える交流
チャールズ・C・マン(布施由紀子 訳) 『1491 先コロンブス期アメリカ大陸をめぐる新発見』第1部(接触前の人口をどう数えるか)