概要
1950年1月26日、インドは憲法を施行し、イギリスの国王を元首としない共和国になった。起草の委員会を率いたのは、不可触民とされた身分の出身の法律家アンベードカルである。憲法は、カーストによる差別と不可触民の扱いを禁じ、成人のすべての男女に選挙権を与えた。当時のインドの人々の多くは読み書きができず、それでも一人一票が約束されたのである。条文は世界で最も長い憲法の一つで、宗教と言葉と地域の違う人々を一つの国にまとめる土台になった。
場所
28.61°N 77.21°E · インド
関わった人(1)
アンベードカルAD1891年4月14日–AD1956年12月6日 · 起草を率いる本文
1947年8月、インドは独立した(インドの独立)。しかし、それはイギリスの国王を元首とする自治領としての独立だった。自分たちの国の形を決めるため、独立の前から、選ばれた代表による制憲議会が話し合いを続けていた。
憲法の起草の委員会を率いたのは、アンベードカルである。彼は不可触民とされた身分に生まれ、子どものころは教室で他の子と同じ水を飲むことも許されなかった。アメリカとイギリスで学び、法律家となって、差別をなくす運動を率いてきた。ガンディーとは、不可触民の選挙の仕組みをめぐって激しく対立したこともある。ネルーは彼を初代の法務大臣に迎え、憲法を任せた。
制憲議会は、3年近くかけて条文を練った。できあがった憲法は、宗教を国の土台にしない世俗の国家、議会の制度、連邦の仕組みを定めた。不可触民として扱うことを禁じ、カーストや宗教や性による差別を禁じた。歴史的に差別されてきた身分と部族の人々には、議席や公務員の職や大学の入学の枠を割り当てる。21歳以上のすべての男女に選挙権を与えた。当時、読み書きのできる人は5人に1人に満たなかった。そのため、投票の用紙には政党の印が描かれた。
1950年1月26日、憲法は施行され、インドは共和国になった。この日は1930年に国民会議が完全な独立を誓った日で、いまも「共和国の日」として祝われる。1952年、最初の総選挙が行われ、1億7千万人が有権者になった。憲法は百回を超えて改められながら、七十年以上、世界で最も人口の多い民主主義の国を支えている。