概要
1970年7月7日、東京の国立の甲州街道沿いに、「すかいらーく」の一号店が開いた。もとは食料品のスーパーを営んでいた四兄弟が、大手のスーパーの進出で先行きを危ぶみ、アメリカで見た郊外の車で来るレストランをまねたのである。広い駐車場があり、子どもの椅子があり、家族みんなで気軽に洋食を食べられる。料理は工場でまとめて仕込み、店では温めて仕上げる。車を持つ家族が郊外に増えた時代に合い、ロイヤルホストやデニーズとともに、休日の家族の外食の場になった。
場所
35.68°N 139.44°E · 東京都国立市
本文
1960年代、東京の郊外で「ことぶき食品」という食料品の店を営んでいた四人の兄弟がいた。大手のスーパーマーケットが次々に大きな店を出し、小さな店は立ち行かなくなりつつあった。彼らはアメリカの流通を学ぶ視察に加わり、郊外の道路沿いに、車で来る家族のためのレストランが並んでいるのを見た。
1970年7月7日、兄弟は東京の国立の甲州街道沿いに、「スカイラーク」の一号店を開いた。広い駐車場があり、子ども用の椅子と子ども向けの献立がある。ハンバーグやステーキやエビフライを、手ごろな値段で食べられる。日本の家族が、休みの日に車で出かけて、家族全員で洋食を食べるという過ごし方が、ここから広まった。
店の数を増やすために、料理は店で一から作らず、工場でまとめて下ごしらえをし、店では焼いたり温めたりして仕上げた。これで、どの店でも同じ味を、腕の良い料理人がいなくても出せる。同じ時期、福岡のロイヤル、アメリカから来たデニーズも店を増やし、「ファミリーレストラン」、略して「ファミレス」と呼ばれた。
1970年代から80年代、車を持つ家族が増え、郊外に家を建てる人が増えた。ファミレスは、国道沿いに看板を掲げ、その暮らしに合わせて広がった。のちには24時間営業の店が増え、深夜に若者が集まる場にもなる。家族の外食の形を変えたのは、アメリカの郊外の暮らしを、日本の郊外に持ち込んだ店だった。