概要
三人の魔女に「いずれ王になる」と告げられたスコットランドの武将マクベスは、妻にそそのかされて王を殺し、王位につく。だが疑いと恐れから殺しを重ね、妻は罪の意識で狂って死ぬ。スコットランド出身の王ジェームズ1世がイングランドの王になって間もないころに書かれた、シェイクスピアの四大悲劇の一つ。
場所
51.51°N -0.13°E · イギリス・イングランド
関わった人(1)
ウィリアム・シェイクスピアAD1564年–AD1616年4月23日 · 作者本文
『マクベス』は、シェイクスピアが1606年ごろに書いたとされる悲劇である。1603年にスコットランドの王ジェームズ6世が、ジェームズ1世としてイングランドの王位も継ぎ、1605年には国王を議会ごと爆殺しようとした火薬陰謀事件が発覚していた。魔女や王殺しを扱うこの劇には、その時代の空気が映っていると言われる。題材は、ホリンシェッドの『年代記』に記されたスコットランドの古い歴史から取られた。
戦いに勝って帰る途中の武将マクベスとバンクォーの前に、三人の魔女が現れる。魔女たちはマクベスに、やがて王になると告げ、バンクォーには、自分は王にならないが子孫が王になると告げる。野心をかき立てられたマクベスは、夫人に励まされて、自分の城に泊まったダンカン王を殺し、王位につく。
だが、王になったマクベスは安心できない。魔女の予言を恐れてバンクォーを殺させ、逆らう者の家族まで殺す。夫人は眠ったまま城を歩き、手についた血が落ちないとうわごとを言うようになり、やがて死ぬ。魔女たちは、女から生まれた者にはマクベスは倒せない、バーナムの森が動くまでは滅びないと告げていた。しかし、森の枝を切って身を隠した軍勢が城に迫り、月足らずで母の腹を裂いて生まれたというマクダフが、マクベスを討つ。
シェイクスピアの悲劇の中でもっとも短く、緊密な作品で、1623年の全集で初めて活字になった。バンクォーの子孫がジェームズ1世の祖先にあたるとされていたことも、劇の背景にある。