概要
江戸時代、公に苗字を名乗れるのは武士などに限られていた。庶民が持っていなかったわけではなく、家の名は村の中で使われていたが、公の書類には書かなかった。明治政府は1870年に庶民の苗字を許し、1875年には名乗ることを義務づける。許すだけでは広まらなかったからである。理由は徴兵にあった。同姓同名が並ぶ帳面では、誰を呼び出すのか決められない。人々の側には、苗字を届けると新しい税がかかるのではないかという警戒もあった。名前は、国に見つけられるための番号でもある。
場所
35.68°N 139.77°E · 日本・東京都
本文
**名乗れなかった**。
(——**江戸時代**。
〈**(1)**公**に**苗字**を**名乗れる**のは、**武士**や**一部**の**者**に**限られて**いた**。
**(2)**そして、**庶民**が**持って**いなかった**わけ**では**ない**。
**〈——家**の**名**は、**村**の**中**で**使われて**いた**。**
**——**墓**や**寄進**の**記録**に**残って**いる**。〉**
**(3)さらに、**公**の**書類**に**は**書かない**、**という**決まり**だった**。〉)
**許す、そして義務**。
(——**1870年**(**明治3年**)、**平民**の**苗字**が**許された**。
〈**——**広まらなかった**。
**——**名乗る**利点**が、**当人**に**は**無い**。〉
**——**1875年2月13日**、**義務**に**した**。
〈**——**名乗らなければ**ならない**、**と**布告**した**。〉
**——**なぜ**か**。
〈**(1)**兵部**の**側**から、**徴兵**の**事務**が**回らない**という**訴え**が**あった**。
**(2)**そして、**同姓**同名**が**並ぶ**帳面**では、**誰**を**呼び出す**のか**決められない**。
**(3)さらに、**壬申戸籍**の**戸籍**を**、**正確**に**保てない**。〉)
**警戒**。
(——**人々**の**側**の**受け止め**。
〈**(1)**新しい**税**が**かかる**のでは**ないか**。
**(2)**そして、**徴兵**の**ため**だ**と**察して**いた**。
**(3)さらに、**読み書き**が**できず**、**届け出**そのもの**が**負担**だった**。〉
**——**寺**や**役人**に**相談**して**決めた**例**、**地名**から**取った**例**が**多い**。
〈**——**同じ**村**に**同じ**姓**が**並ぶ**のは、**その**名残**である**。〉)
**残ること**。
(——**名前**は、**自分**の**もの**で**ありながら**、**国**に**見つけられる**ため**の**しるし**でも**ある**。
〈**——**姓を登録させる**の**オランダ**と、**理由**まで**同じ**である**。〉
**——**そして、**この**とき**決めた**「一つ**の**家**に**一つ**の**姓」**という**形**が、
〈**——**いま**の**夫婦**の**姓**を**めぐる**議論**に**まで**続いて**いる**。〉)