概要
1268年に教皇が死ぬと、ヴィテルボに集まった枢機卿たちは、フランス寄りとイタリア寄りに割れて決められなかった。一年たち、二年たっても決まらない。町の人々と役人は、枢機卿たちを館に閉じ込め、食べ物をパンと水に減らし、屋根まで剥がしたと伝えられる。空位はほぼ三年に及び、ようやく選ばれたグレゴリウス十世は、自ら規則を作った。枢機卿を鍵のかかる部屋に閉じ込め、決まらなければ日を追って食事を減らす。「鍵とともに」を意味するコンクラーヴェの名は、ここから来ている。決められない者たちから、ほかの選択肢を取り上げる仕組みである。
場所
42.42°N 12.10°E · イタリア・ラツィオ州
本文
**決まらない**。
(——**1268年11月**、**教皇クレメンス四世**が、**ヴィテルボ**で、**死んだ**。
〈**——**ヴィテルボ**は、**ローマの北**の、**町**である**。
**——**このころ、**教皇**は、**ローマ**に、**落ち着いていられない**ことが、**多かった**。〉
**——**枢機卿たち**が、**集まった**。
〈**——**十数人**。
**——**三分の二**の、**票が、**要る**。〉
**——**割れた**。
〈**(1)**フランス**の王家**に、**近い者**。
**〈——ナポリとシチリア**は、**フランス王の弟**が、**取ったばかり**である。〉**
**(2)**そして、**イタリア**の側**に、**立つ者**。
**(3)さらに、**どちらも、**三分の二**に、**届かない**。〉
**——**一年**、**経った**。
〈**——**二年**、**経った**。〉)
**閉じ込める**。
(——**町の人々**が、**しびれを切らした**。
〈**——**教皇がいなければ、**教会の人事**も、**裁き**も、**止まる**。
**——**そして、**枢機卿たち**の、**滞在の費用**は、**町の持ち**である**。〉
**——**伝えられていること**。
〈**(1)**枢機卿たち**を、**司教の館**に、**閉じ込めた**。
**(2)**そして、**鍵を、**かけた**。
**(3)さらに、**差し入れ**を、**パンと水**に、**減らした**。
**(4)そして、**館の屋根**を、**剥がした**。
**〈——雨風**に、**さらせば、**早く、**決めるだろう**、**と**。〉〉**
**——**どこまでが、**本当か**は、**分からない**ところが、**ある**。
〈**——**それでも、**閉じ込められた**ことは、**確か**である**。〉)
**選ぶ**。
(——**1271年9月1日**。
〈**——**空位**は、**ほぼ、**三年**。
**——**教会の歴史**で、**もっとも長い空位**の一つ**である**。〉
**——**結局、**枢機卿たち**は、**自分たちの中**から、**選べなかった**。
〈**——**六人の委員**に、**任せた**。
**——**選ばれたのは、**枢機卿ですらない**、**テオバルド・ヴィスコンティ**。
**——**十字軍**に、**加わって、**聖地**アッコ**に、**いた**。〉
**——**知らせ**が、**届き**、**戻ってきて、**グレゴリウス十世**と、**名乗った**。〉
**規則**。
(——**新しい教皇**は、**同じこと**を、**繰り返させない**ために、**規則**を、**作った**。
〈**——**1274年、**リヨンの公会議**で。
**——**「危険のあるところに」**(Ubi periculum)**と、**書き出す**。〉
**——**中身**。
〈**(1)**教皇が、**死んだら、**十日**、**待つ**。
**〈——遠くの枢機卿**が、**着くのを。〉**
**(2)**そして、**枢機卿たち**を、**一つの部屋**に、**集め、**鍵を、**かける**。
**(3)さらに、**外との、**やりとり**を、**断つ**。
**(4)そして、**三日**で、**決まらなければ、**食事**を、**一皿**に、**減らす**。
**(5)さらに、**そこから**五日**経っても、**決まらなければ**、**パンと、**水と、**酒**だけ**にする**。
**(6)そして、**その間、**教会の収入**は、**受け取れない**。〉
**——**ラテン語**で、**「鍵とともに」**。
〈**——**cum clave**。
**——**コンクラーヴェ**の名**は、**ここから、**来ている**。〉)
**その後**。
(——**枢機卿たち**には、**評判が、**悪かった**。
〈**——**規則**は、**数年**で、**止められた**。
**——**そして、**また、**長い空位**が、**起きた**。
**——**やがて、**戻された**。〉
**——**いまも、**教皇**の選挙**は、**システィーナ礼拝堂**に、**鍵をかけて、**行われる**。
〈**——**食事**を、**減らす**ことは、**もう無い**。
**——**それでも、**外と、**断たれる**。
**——**そして、**決まったら、**白い煙**を、**上げる**。〉)
**残ること**。
(——**決める**仕組み**には、**二つ**ある**。
〈**(1)**どう、**選ぶか**。
**〈——[[kleroterion]]**、**[[doge-election-1268]]**。〉**
**(2)**そして、**選ばない**ことを、**どう、**許さないか**。〉
**——**コンクラーヴェ**は、**後者**である**。
〈**——**話し合い**を、**速くする**のではない**。
**——**話し合い**を、**終わらせない**限り、**出られない**ようにする**。〉
**——**同じ考え方**は、**陪審**にも、**見られる**。
〈**——**評決**に、**至るまで、**部屋から、**出さない**。〉)