概要
1930年代から、ギターの音を電気で大きくする工夫は始まっていたが、中が空洞のギターに磁石の拾いを付けると、音が共鳴してうなりを上げた。カリフォルニアのフラトンでラジオの修理店を営んでいたレオ・フェンダーは、中の詰まった板の胴に部品をねじで留めた、安くて丈夫で直しやすいギターを作った。1950年に売り出され、翌年テレキャスターの名になる。本人はギターを弾けなかった。同じ年に作った電気のベースとともに、少人数で大きな音を出せる楽団の形を可能にし、ロックの音を決めた。
場所
33.87°N -117.92°E · アメリカ・カリフォルニア州
本文
1930年代、ダンスの楽団が大きくなるにつれて、ギターの音は管楽器にかき消されるようになった。ギターの弦の振動を磁石と線の巻きもので電気の信号に変え、アンプで大きくする仕組みが考えられた。しかし、中が空洞の胴を持つふつうのギターでは、スピーカーから出た音で胴が震え、耳障りなうなりが起きる。
ギタリストのレス・ポールは、1940年代の初めに、木の角材に弦と部品を取り付けた「丸太」と呼ぶギターを作って試していた。同じころ、南カリフォルニアのフラトンで、ラジオの修理店を営んでいたレオ・フェンダーも、中の詰まった板の胴のギターを考えていた。フェンダー自身はギターを弾けない。彼が考えたのは、演奏家が困らないように、安く、丈夫で、壊れたらすぐ直せる道具だった。
1950年、フェンダーは、平らな一枚板の胴に、ねじで留めた首を付けたギターを売り出した。部品はどれも工場でまとめて作れる。翌年、テレビの時代にちなんでテレキャスターと名づけられる。同じ1951年には、コントラバスの代わりに、ギターと同じように抱えて弾ける電気のベースも売り出した。1952年には大手のギブソンが、レス・ポールの名を冠したギターを出し、1954年にはフェンダーのストラトキャスターが続く。
ギター、ベース、ドラムという少人数で、大きな楽団と同じくらいの音量を出せるようになった。数年後、エルヴィスとサン・スタジオに始まるロックンロールは、この楽器の上で鳴った。アンプの音を歪ませ、弦を曲げて音の高さを揺らす弾き方が工夫され、エレキギターは若者の反抗の象徴になっていく。日本でも、1960年代にエレキの流行が起き、ビートルズの日本公演をきっかけに多くのバンドが生まれた。