概要
日本の新幹線の成功を見たフランスは、独自の高速鉄道を開発した。1981年9月27日、パリとリヨンの間で、TGV(高速列車)の営業運転が始まった。新しく造った専用の線路を時速260キロで走り、それまで4時間ほどかかった道のりを2時間40分に縮めた。専用の線路を出れば、在来の線路にもそのまま乗り入れられるのが強みだった。TGVの路線は国中に広がり、フランスの国内の空の便を減らした。2007年には、試験の列車が時速574.8キロの、車輪で走る列車の世界記録を出している。
場所
45.76°N 4.84°E · フランス
本文
1964年に東海道新幹線が開業すると(東海道新幹線)、鉄道は自動車と飛行機に負けていく古い乗り物だという見方は覆された。フランス国鉄も、高速の列車の研究を始めた。はじめはガスタービンで走る列車が試されたが、1973年の石油危機で燃料の値段が上がると、フランスは原子力発電で賄える電気で走る列車へと方針を切り替えた。
フランスの高速鉄道は、日本の新幹線とは違う考え方で作られた。新幹線は、在来線と線路の幅が違う、まったく別の鉄道として作られた。フランスのTGVは、在来線と同じ幅の線路を使った。パリとリヨンの間には、高速で走るための新しい専用の線路を造るが、その先は在来の線路に乗り入れて、地方の町まで直接に走れる。専用の線路は、急な坂も許してトンネルや橋を減らし、建設の費用を抑えた。
1981年2月、試験の列車が時速380キロの世界記録を出した。9月22日、ミッテラン大統領が開業を祝い、27日、パリとリヨンの間で営業運転が始まった。最高時速260キロで走り、それまで4時間近くかかった道のりは、2時間40分になった。1983年に全線の専用の線路ができると、さらに2時間に縮まった。
TGVは大成功だった。パリとリヨンの間の飛行機の客の多くが列車に移った。路線は、大西洋側、北部、地中海側へと広がり、英仏海峡トンネルを通るユーロスターや、ベルギー、ドイツ、スイスへの国際列車も走るようになった。2007年4月には、改造した試験の列車が時速574.8キロを出し、車輪で走る列車の世界記録を作った。
フランスの高速鉄道は、スペイン、韓国などにも輸出された。ヨーロッパでは、短い距離の空の便を高速鉄道で置き換えることが、二酸化炭素を減らす手段としても注目されている。フランスは2023年、鉄道で2時間半以内に行ける区間の国内線の飛行機を禁じた。