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Event / できごと

不確定性原理

Uncertainty principle
AD1927年3月
重要度 5

概要

位置と運動量を同時に正確には測れない。Δx·Δp≥h/4π。測り方が下手なのではなく、自然がそうできている。ハイゼンベルクが25歳で、ヘルゴラント島の花粉症の療養中に行列力学を作り(1925年)、2年後にこれを書いた。ボーアの相補性と合わせて「コペンハーゲン解釈」。アインシュタインは「神はサイコロを振らない」と言い、ボーアは「神に指図するな」と答えた。

場所

コペンハーゲン
55.68°N 12.57°E · デンマーク

関わった人(2)

ヴェルナー・ハイゼンベルクAD1901年12月5日–AD1976年2月1日 · 書いたニールス・ボーアAD1885年10月7日–AD1962年11月18日 · 相補性

本文

1925年6月、ハイゼンベルク(23歳)は花粉症で、北海のヘルゴラント島に2週間いた。木も草もない岩の島。夜中に、原子のスペクトルを、観測できる量(振動数と強度)だけで計算する方法を見つけた。「山の頂上から向こう側を見たような気がした」。行列力学。ボルンとヨルダンが数学(行列)にした。1926年、シュレーディンガーの波動力学。同じ答えを出す、別の形。

1927年2月、コペンハーゲン。ボーアがスキーに行っている間、ハイゼンベルクは一人で研究所にいた。ウィルソンの霧箱で電子の道が見える。「道」とは何か。夜、公園(フェレズ公園)を歩いていて、「観測できるのは、何か」と考えた。アインシュタインが前年に言った言葉。「理論が、何を観測できるかを決める」。

位置を測る。電子に光を当てる。光の波長が短いほど位置は正確で、しかし短い波長の光は運動量が大きく、電子を弾く。位置の誤差 Δx と運動量の誤差 Δp の積は、h/4π より小さくできない。時間とエネルギーも同じ。

「不確定性」は、測定の下手さではない。「位置と運動量を同時に持つ粒子」というものが、自然にはない。「道」はない。

3月、論文。ボーアは帰って来て、怒った。ハイゼンベルクの導出(顕微鏡の思考実験)が粗く、そして、ボーアは別のことを考えていた。「相補性」。粒子と波は、同じものの、両立しない二つの側面で、どちらか一方しか見えない。9月、コモで発表した。「コペンハーゲン解釈」。波動関数は確率で、観測で収縮する。

1927年10月、ブリュッセル、第5回ソルヴェイ会議。アインシュタインは毎朝、量子力学の矛盾を示す思考実験を出し、ボーアは毎晩、答えた。「神はサイコロを振らない」「アインシュタイン、神に指図するのはやめなさい」。1935年、EPR(アインシュタイン・ポドルスキー・ローゼン)。「量子力学は不完全だ」。ベルの不等式(1964年)、アスペの実験(1982年)。量子力学が勝った。

ハイゼンベルク、1932年ノーベル賞。31歳。

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