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Event / できごと

計算尺

The slide rule
AD1622年
重要度 4
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このできごとには、まだ自由に使える図版が見つかっていません。 代わりに、このデータベースが持っているAD1622年の版図を描いています(24勢力)

概要

対数は掛け算を足し算に変える。ガンターは対数の目盛を刻んだ物差しを作り、コンパスで長さを測って足した。オートレッドは、同じ目盛の尺を二本、滑らせて重ねればよいと考えた。掛け算が、目盛を合わせる動作になる。有効数字は三桁ほどしか読めない。しかし、桁を間違えなければ、それで足りる場面が多い。以後三百五十年、技師と航海士と学生がこれを腰に下げた。アポロ計画の技術者も使っている。電卓が現れて、数年で消えた。

場所

ロンドン
51.51°N -0.13°E · イギリス・イングランド

関わった人(1)

ウィリアム・オートレッドAD1574年3月5日–AD1660年6月30日 · 考案

本文

**前提**。

**対数**。

(**1614年、**ジョン・ネイピア**。

**——**掛け算を、足し算に変える**。

**log(a×b) = log(a) + log(b)**。

**そして、**1617年、ヘンリー・ブリッグス**が、**常用対数(底が10)**の表を作り始めた**。

〈**——**手で、計算した**。

**14桁**。

**そして、**1から20,000、そして90,000から100,000まで**。

**〈間の70,000は、後にオランダのフラックが埋めた。〉**〉

**——**天文学者と航海士が、救われた**。

**ラプラスが、後に言った**(要旨)。

**「対数は、労力を減らすことで、**天文学者の寿命を二倍にした**」**。)

**ガンター**。

**1620年、**エドマンド・ガンター**(グレシャム・カレッジの天文学教授)。

(——**物差しに、**対数の目盛を刻んだ**。

**「ガンターの線」**(Gunter's line)。

**使い方**。

〈**コンパス(ディバイダー)で、**1からaまでの長さ**を取る**。

**そして、その長さを、**bのところから、先へ足す**。

**——**針が指したところが、a×b である**。〉

**——つまり、**対数表を引かずに、長さで足し算をしている**。〉)

**オートレッド**。

**1622年頃**。

(**ウィリアム・オートレッド**(1574〜1660年)——**英国国教会の、教区司祭**である**。

**彼が、考えた**。

**——**コンパスが、要らない**。

**同じ目盛の尺を、**二本、並べて、滑らせればよい**。

〈**b の目盛を、**もう一方の 1 に合わせる**。

**そして、**a の目盛のところを読む**。

**——**a×b が、そこにある**。〉

**そして、彼は、**円形のもの**も作った**。

〈**二枚の円盤を、重ねて回す**。

**——**「端がない」**という利点がある**。〉)

**争い**。

(——**オートレッドは、**すぐには、公表しなかった**。

**弟子の**リチャード・デラメイン**が、**1630年、円形の計算尺について、先に本を出した**。

**——**オートレッドは、**自分の発明だと主張した**。

**そして、**激しい論争になった**。

〈**デラメインは、**独立に発明した**と主張した**。

**——**決着していない**。

**そして、デラメインは、**貧困のうちに死んだ**。〉

**オートレッドが、自分の説明を出したのは、**1632年**である**。〉)

**構造**。

(**(1)**固定尺**(本体)。

**(2)**滑尺**(スライダー)。

**(3)**カーソル**(透明な窓に、細い線)。

〈**——カーソルは、**後の発明**である**(17世紀末、ニュートンが構想し、19世紀に一般化した)。

**離れた尺の目盛を、**同じ位置で読むため**。〉

**目盛**。

〈**C、D——**基本の対数目盛**(掛け算、割り算)。

**A、B——**平方の目盛**。

**K——**立方**。

**S、T——**正弦、正接**。

**L——**常用対数**。

**LL——**両対数(累乗)**。

**——**高級なものには、**20本以上の目盛**があった**。〉)

**限界**。

(——**有効数字が、**三桁**しか読めない**。

**〈長いものでも、四桁弱。〉**

**そして——**桁が、分からない**。

**「2.5」と出たとき、**それが 2.5 なのか 250 なのか 0.025 なのか**は、**尺は教えてくれない**。

〈**——**使う人が、頭の中で、概算しておく**。

**「だいたい、この程度のはずだ」**。

**——**これが、**技術者の感覚を鍛えた**、としばしば言われる**。

**〈計算尺を使っていた世代が、電卓の世代を評して、「桁を間違えても気づかない」と言う。〉**〉

**そして——**足し算と引き算が、できない**。

〈**——**対数は、掛け算のための道具である**。〉)

**それでも、足りた**。

(——**工学の計算は、**三桁で足りることが多い**。

**材料の強度に、**それ以上の精度が無い**。

**安全率を、**2とか3とか掛ける**。

**——**四桁目は、意味が無い**。〉)

**普及**。

(**19世紀、**アメデ・マンハイム**(フランスの砲兵将校、1859年)が、**標準的な配置**を定めた**。

**——**マンハイム型**。**カーソル付き**。

**そして、**世界中に広がった**。

**製造——**ケフェル・アンド・エッサー**(アメリカ)、**ファーバー・カステル**(ドイツ)、**ヘンミ**(日本)。

〈**ヘンミ計算尺**——**竹**を使った**。

**——**竹は、湿度と温度による伸縮が小さく、そして、滑りが良い**。

**〈日本製の計算尺が、世界市場で高い評価を得た理由の一つである。〉**〉)

**使われたもの**。

(——**橋。ダム。船。飛行機**。

**エンパイア・ステート・ビル**。

**フーヴァー・ダム**。

**そして——**アポロ計画**。

〈**NASAの技術者が、**ピケット社のN600-ES**を使っていた**。

**——**バズ・オルドリンが、**アポロ11号に、計算尺を持って行った**。

**〈2007年に競売にかけられ、約8万ドルで売れた。〉**

**そして、**アポロ13号の事故のとき**、地上の技術者が、**計算尺で、軌道の修正を確かめた**、と語られる**。

**——**この逸話の細部には、脚色がある**。**しかし、当時、計算尺が現場の道具だったことは確かである**。〉

**さらに——**マンハッタン計画**。

**そして、**ドイツのV2ロケット**。)

**終わり**。

(**1972年、**ヒューレット・パッカードHP-35**。

**——**ポケットに入る、科学計算用の電卓**。

**価格——**395ドル**。

〈**——高い**。**しかし、**四桁ではなく、十桁**が出る**。

**そして、**三角関数と対数が、ボタン一つ**。〉

**——**数年で、計算尺が、消えた**。

〈**1975年、ケフェル・アンド・エッサーが、**計算尺の生産を止めた**。

**——**そして、最後の一本を、スミソニアン博物館に寄贈した**。

**1976年、ヘンミも、事実上、撤退した**。〉

**——**三百五十年、使われた道具が、**四、五年で、消えた**。〉)

**いま**。

(——**航空機の**フライト・コンピュータ**(E6Bなど)は、**いまも、円形の計算尺である**。

〈**電池が要らない**。**壊れない**。

**——**そして、パイロットの試験に、いまも出る**。〉

**そして、**古い計算尺は、**収集の対象になっている**。)

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