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Event / できごと

鉄筋コンクリート

Reinforced concrete
AD1867年
重要度 5
デンマークペルシアスウェーデン=ノルウェーオーストリア帝国エジプトスペインフランスNejdモロッコAlgiersグレートブリテン及びアイルランド連合王国プロイセン両シチリア王国バイエルンTunisサルデーニャ王国TripolitaniaハノーファーCyrenaicaAD1867年パリ
このできごとには、まだ自由に使える図版が見つかっていません。 代わりに、このデータベースが持っているAD1867年の版図を描いています(19勢力)

概要

コンクリートは押されるのに強く、引かれると割れる。鉄は逆である。両者を組み合わせれば、どちらの弱点も消える。しかも熱膨張率がほぼ同じで、アルカリ性のコンクリートが鉄を錆から守る。パリの造園業者ジョゼフ・モニエは、割れない植木鉢を作ろうとして、金網を入れたモルタルを試し、1867年に特許を得た。原理は後にドイツとフランスの技師が構造力学として整理する。二十世紀の建物のほとんどが、この組み合わせで建っている。

場所

パリ
48.86°N 2.35°E · フランス

関わった人(1)

ジョゼフ・モニエAD1823年11月8日–AD1906年3月13日 · 特許を得た

本文

**性質**。

(——**コンクリート**。

〈**——**圧縮に、**極めて、強い**。

**——**引張に、**極めて、弱い**。

**〈——圧縮強度の、**十分の一程度**しかない。〉**

**——**だから、**梁として、水平に架けると、**下側が引かれて、割れる**。〉

**——**鉄**。

〈**——**引張に、**強い**。

**——**そして、**細い棒は、**圧縮すると、座屈する**(曲がる)。〉

**——**組み合わせる**。

〈**——**引かれる側に、**鉄の棒を、入れる**。

**——**押される側は、**コンクリートが、受け持つ**。〉)

**そして、三つの偶然**。

(——**この組み合わせが、**うまくいくのは、**三つの性質が、たまたま、揃っているから**である**。

〈**(1)**熱膨張率が、**ほぼ、同じ**。

**〈——コンクリート、**約10×10⁻⁶/℃**。**

**鉄、**約12×10⁻⁶/℃**。**

**——温度が変わっても、**剥がれない**。**

**——もし、大きく違えば、**季節ごとに、内部が壊れる**。〉**

**(2)**付着する**。

**〈——セメントが、**鉄の表面に、化学的にも、機械的にも、食いつく**。**

**——そして、**異形鉄筋**(表面に節がある)**で、さらに強くする。〉**

**(3)そして——**コンクリートが、**鉄を、錆から守る**。

**〈——固まったコンクリートの中は、**pH 12から13**の、強アルカリである。**

**——その環境では、**鉄の表面に、**極めて薄い、緻密な酸化物の膜**(不動態皮膜)**ができる。**

**——そして、それ以上、錆びない。〉**〉

**——**もし、この三つのどれかが、欠けていれば、**この材料は、成立しなかった**。〉)

**モニエ**。

(**ジョゼフ・モニエ**(1823〜1906年)。**造園業者**である**。

〈**——**技師ではない**。**理論を、持っていない**。〉

**問題**。

〈**——**橙の木を植える、**大きな鉢**。

**——**当時、**木の桶か、**素焼きの鉢**である**。

**——**木は、腐る**。**素焼きは、**根の力と、冬の凍結で、割れる**。〉

**——**彼は、**モルタルで作ってみた**。

**——**割れた**。

**そして、**金網を、中に入れてみた**。

**——**割れなくなった**。

〈**——**なぜかは、**分からなかった**。

**——**「網が、押さえているのだろう」**、という程度の理解である**。〉

**1867年7月16日、**特許**(「移動可能な、鉄と、セメントを組み合わせた、園芸用の桶」)。

**そして、**その後、**次々に、特許を広げた**。

〈**1868年——**管と、貯水槽**。

**1869年——**板**。

**1873年——**橋**。

**1878年——**梁**。〉

**——**そして、**1875年、**シャズレの城の庭に、**世界初の鉄筋コンクリートの橋**を、架けた**。

**〈長さ、約16メートル。**

**——いまも、残っている。〉**〉)

**理論**。

(——**モニエは、**理論を、持っていなかった**。

**そして、**それを、作ったのは、**ドイツの技師たち**である**。

〈**——**1879年、**グスタフ・アドルフ・ヴァイス**(ドイツの建設業者)が、**モニエの特許を、買った**。

**そして、**試験をした**。

**——**そして、**モニエの理解が、間違っていること**に、気づいた**。

**〈——モニエは、鉄網を、**部材の中央**に置いていた。**

**——それでは、**引張に、効かない**。**

**——**引かれる側の、縁の近く**に、置かなければならない。〉**

**——**ヴァイスが、**それを、正した**。

**そして、**マティアス・ケーネン**が、**1886年、**計算の方法を、発表した**。

**——**「モニエ=ヴァイス方式」**として、ドイツで広まった**。〉

**フランス**。

〈**——**フランソワ・エンヌビック**(1892年の特許)。

**——**柱、梁、床を、**一体として打つ**方式**。

**そして、**梁の中で、**鉄筋を、途中で、上へ曲げる**。

**〈——せん断力に、対応するためである。**

**——「エンヌビック式」。〉**

**——**そして、彼は、**極めて、商売がうまかった**。

**〈——ヨーロッパ中に、**フランチャイズの網**を作った。**

**——1900年代初頭で、**数千件の建物**を、手がけた。〉**〉)

**そして、二十世紀**。

(——**鉄筋コンクリートが、**建築の、標準になった**。

〈**——**安い**。**——材料が、どこにでもある**。

**——**火に、強い**。**〈鉄骨は、火災で、軟化する。**

**——コンクリートで、覆えば、守れる。〉**

**——**そして、**自由な形が、作れる**。〉

**建築家たち**。

〈**オーギュスト・ペレ**——**フランクリン街のアパート**(1903年)。

**ル・コルビュジエ**——**「ドミノ・システム」**(1914年)。

**〈——柱と、床板と、階段だけ。**

**——壁が、構造から、解放される。〉**

**フランク・ロイド・ライト**——**落水荘**(1937年)。

**そして、**丹下健三、安藤忠雄**。〉)

**そして、寿命**。

(——**問題**。

〈**——**「不動態皮膜」は、**壊れる**。

**(1)**中性化**(炭酸化)。

**——**空気中の二酸化炭素が、**コンクリートに、染み込む**。

**——**水酸化カルシウムと反応して、**炭酸カルシウムになる**。

**——**pHが、下がる**。

**——**そして、**鉄が、錆び始める**。

**〈——数十年で、**表面から、数センチ**、進む。〉**

**(2)**塩化物**。

**——**海の近く**。**そして、**凍結防止剤(塩)を撒く道路**。

**——**塩化物イオンが、**不動態皮膜を、局所的に、破る**。

**(3)そして、**錆びると、**体積が、二倍以上に、膨れる**。

**——**コンクリートを、**内側から、割る**。

**〈「爆裂」。〉**

**——**そして、**割れ目から、さらに、水と塩が、入る**。〉

**——**つまり、**鉄筋コンクリートには、**寿命がある**。

〈**——**設計上、**50年から100年**とされる**。

**——**そして、**20世紀後半に、大量に建てられたものが、**いま、その時期に来ている**。

**〈——アメリカの橋。**

**——日本の高度成長期の高速道路と、上下水道。**

**——「インフラの老朽化」。〉**

**——**そして、**ローマのコンクリートは、**二千年、立っている**。

**〈——鉄が、入っていないからである。**

**——鉄筋が、**強さと引き換えに、寿命を、持ち込んだ**。〉**〉)

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