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Event / できごと

オーティスの安全装置

Otis's safety elevator
AD1854年5月
重要度 4
カナダデンマークアメリカ合衆国ヌエバ・エスパーニャ副王領スペインAD1854年5月ニューヨーク
このできごとには、まだ自由に使える図版が見つかっていません。 代わりに、このデータベースが持っているAD1854年5月の版図を描いています(5勢力)

概要

荷物用の昇降機は古くからある。人を乗せなかったのは、綱が切れれば落ちるからである。エリシャ・オーティスは、綱の張力が消えたときに板ばねが開き、両側の歯付きの案内レールに噛みつく仕掛けを作った。ニューヨーク万国博覧会の会場で、自ら昇降台に乗り、斧で綱を切らせてみせた。台は数センチ落ちて止まった。建物の高さは、階段を上がれる高さで頭打ちになっていた。それが外れ、高い階のほうが高く売れるようになった。

場所

ニューヨーク
40.71°N -74.01°E · アメリカ合衆国

関わった人(1)

エリシャ・オーティスAD1811年8月3日–AD1861年4月8日 · 作った

本文

**それまで**。

(——**昇降機は、**古くからある**。

〈**——**ローマのコロッセウム**に、**猛獣と剣闘士を、地下から上げる装置**があった**。

**〈——奴隷が、絞盤を回す。〉**

**そして、**中世の修道院、**鉱山の巻き上げ機**。

**さらに、**19世紀の工場**——**蒸気機関で、荷を上げる**。〉

**——**そして、**人は、乗らなかった**。

〈**——**綱が、切れる**からである**。

**——**麻の綱**は、**擦れて、切れる**。

**そして、**切れれば、**落ちる**。〉

**——**だから、**建物の高さは、**「人が、階段を上がれる高さ」**で、決まっていた**。

〈**——**五階か、六階**。

**そして、**上の階ほど、**家賃が、安い**。

**〈——上がるのが、大変だから。**

**——屋根裏部屋に、貧乏な芸術家が住む、という図は、これである。〉**〉)

**オーティス**。

(**エリシャ・グレイヴス・オーティス**(1811〜1861年)。

〈**——**ヴァーモントの、農家**。

**そして、**職を、転々とした**。

**——**荷馬車の製造**(失敗)。

**——**製材所**(失敗)。

**——**そして、**人形の製造工場の、職長**。〉

**1852年、**ベッドの製造工場**(ニューヨーク州ヨンカーズ)の、機械の据え付けを、任された**。

〈**——**二階へ、**重い機械を、上げる必要があった**。

**——**そして、**綱が切れたら、どうするか**、を、考えた**。〉)

**仕掛け**。

(——**単純である**。

〈**(1)**昇降台の上に、**板ばね**(wagon spring、荷馬車用の重ね板ばね)**を、置く**。

**(2)**綱を、**そのばねの中央に、繋ぐ**。

**(3)**綱が、**引っ張っている間**は、**ばねが、たわんでいる**(弓なりに、曲がっている)。

**(4)**綱が、**切れる**。

**——**張力が、消える**。

**——**ばねが、**元の形に、戻る**(真っ直ぐになる)。

**(5)**すると、**ばねの両端が、外へ、開く**。

**(6)**そして、**両側の案内レールに刻まれた、**鋸歯**に、**噛みつく**。

**——**止まる**。〉

**——**つまり、**「綱が、切れたこと」そのものを、**動力にしている**。

〈**——**電気も、別の仕掛けも、要らない**。

**——**そして、**綱が生きている限り、絶対に、作動しない**。〉)

**実演**。

**1854年5月、ニューヨーク万国博覧会**。

(——**クリスタル・パレス**(ブライアント・パークの場所にあった)。

〈**——**彼は、**高い櫓を組み、**そこに、昇降台を、吊るした**。

**そして、**自分が、その上に、乗った**。

**さらに、**箱と、樽を、積んだ**。

**——**台を、**高く、上げた**。

**そして、**助手に、**斧で、綱を、切らせた**。〉

**——**台が、**数センチ、落ちて、止まった**。

**そして、彼は、**帽子を取って、こう言った**、と伝えられる**。

**「みなさま、ご安心を**。**万事、順調です」**。

〈**"All safe, gentlemen, all safe."**

**——この文句が、**繰り返し、引かれる**。

**——記録の細部には、脚色があるかもしれない。**

**そして、**実演そのものが行われたこと**は、確かである。〉**)

**その後**。

(——**注文が、**増えた**。

〈**1853年——**三台**。

**1854年——**七台**。

**1855年——**十五台**。

**——**そして、**次第に、増えた**。〉

**1857年3月23日、**世界初の、旅客用の昇降機**。

〈**——**ニューヨーク、ブロードウェイの、**E・V・ホートワウトの陶磁器店**(五階建て)。

**——**蒸気で動く**。

**速度——**毎分、約12メートル**。

**〈——遅い。**

**——階段のほうが、速かったかもしれない。**

**——それでも、**「上がらなくてよい」**ことに、意味があった。〉**〉

**1861年、**死去**。**四十九歳**。

〈**——**ジフテリア**である**。

**——**そして、**会社の負債が、残った**。〉

**そして、**息子たち**。

〈**チャールズ**と**ノートン**が、**継いだ**。

**——**そして、**会社を、立て直した**。

**〈——「オーティス・ブラザーズ」。〉**

**そして、**いまも、**世界最大の昇降機の会社**である**。〉)

**そして、建物**。

(——**昇降機が、**高さの制約を、外した**。

〈**——**そして、**もう一つ、変わった**。

**——**「上の階のほうが、**高く売れる**」**。

**〈——景色がよい。**

**——街の埃と、騒音から、遠い。**

**——そして、洪水と、雨水から、遠い。〉**

**——**それまで、**上の階は、**貧しい人が住む場所**だった**。

**——**それが、**逆転した**。

**〈——「ペントハウス」。**

**——もともと、**屋上の物置**を意味する語である。**

**それが、**最も高価な住居**を、意味するようになった。〉**〉)

**そして、いま**。

(——**世界に、**約1,800万台**の昇降機が、稼働している**、とされる**。

〈**——**そして、**その安全装置の原理は、**1852年から、変わっていない**。

**——**「綱の張力が消えたら、掴む」**。

**〈——現代のものは、**速度が上がりすぎたときに作動する調速機**(ガバナー)**と、**

**非常止め装置**(safety gear)**の組み合わせである。**

**——そして、**多重の安全装置**がある。〉**

**——**綱も、**麻から、鋼のロープ**になり、**そして、**複数本**を、使う**。

**〈——一本が切れても、他が、保つ。〉**

**——**実際には、**現代の昇降機で、綱がすべて切れて落ちた事故は、**極めて稀である**。

**〈——記録に残る例が、**数件しかない**。**

**——そして、その多くが、**火災か、航空機の衝突**による。〉**〉)

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