概要
ウェンダットの指導者カンディアロンクが、金と身分と刑罰でしか人を動かせないフランス人を論駁した。その対話が本になり、ヨーロッパで版を重ねる。
場所
ケベック
46.81°N -71.21°E · カナダ
46.81°N -71.21°E · カナダ
関わった人(1)
カンディアロンクAD1649年頃–AD1701年8月2日 · 論じた本文
カンディアロンクは、五大湖のウェンダットの指導者だった。 フランスとイロコイのあいだで交渉を重ね、 弁論の力でフランス側の記録にも名を残している。
フランスの貴族ラオンタンは、カナダでの任務のあと、 この人物との対話という形の本を書いた。 1703年にオランダで出て、版を重ね、各国語に訳された。
その中で「アダリオ」と呼ばれる先住民は、こう論じる。 あなたたちは金がなければ何もしない。 盗みを罰する法があるのは、盗む理由を作っているからだ。 命令されなければ働かない人間を、なぜ自由と呼ぶのか。
どこまでが実際の言葉で、どこからがラオンタンの創作かは分からない。 ただ、論点はフランス人が思いつきそうにないものが多い、と指摘されてきた。 イエズス会の報告にも、同じ趣旨の反論が繰り返し出てくる。
『万物の黎明』はここに大きな賭けをする。 ヨーロッパの啓蒙が語りはじめた自由と平等は、 内側から出てきたのではなく、こういう批判に応えようとして生まれた、という筋になる。
出典(1)
デヴィッド・グレーバー、デヴィッド・ウェングロウ(酒井隆史 訳) 『万物の黎明 人類史を根本からくつがえす』第2章(先住民による批評と、それがヨーロッパに与えた衝撃)