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Event / できごと

ヴァーラーナシーの火葬

Cremation at Varanasi
AD500年頃
重要度 4
古シベリアの狩猟採集民クリカンコイサン西アフリカの穀作農民Pandyasヒムヤル王国北魏(拓跋魏)クシャーナ系の諸侯国ヴァーカータカ朝シンハラ柔然CherasWestern Gangasチョーラ朝KadambasPallavasVishnu-KundinsJin Empire扶南ラヴォチャンパグプタ朝高句麗アクスム王国ササン朝ペルシア東ローマ帝国AD500年頃ヴァーラーナシー
このできごとには、まだ自由に使える図版が見つかっていません。 代わりに、このデータベースが持っているAD500年頃の版図を描いています(26勢力)

概要

ガンジス河畔のこの町で死ねば輪廻から解脱できる、という信仰がある。マニカルニカー・ガートでは、薪の火が数百年、絶えたことがないとされる。遺体は布に包まれて川で清められ、薪の上で焼かれ、灰は川へ流される。墓は作らない。体は器であって、残すものではないという考え方である。焼く薪の量は一体に300キロ前後で、貧しい者には払えない。焼き切れなかった体が川へ流されることが、いまも問題になっている。

場所

ヴァーラーナシー
25.32°N 83.01°E · インド・ウッタルプラデシュ州

本文

**町**。

**ヴァーラーナシー**。ガンジス川の左岸。

(**カーシー**〈光の町〉、**ベナレス**とも呼ばれる。人が住み続けている都市として、世界で最も古い部類に入る、としばしば言われる。考古学的には、前8世紀頃まで遡る。)

ここは、シヴァの町とされる。

**ガート**。

川岸に、石の階段が延々と続く。**84のガート**(沐浴場)がある。

大半は、沐浴のためのものである。夜明けに、人々が川に入り、体を清め、太陽に祈る。

そのうち、**二つ**が、火葬のためのものである。

**マニカルニカー・ガート**と、**ハリシュチャンドラ・ガート**。

**信仰**。

ヒンドゥー教では、人は輪廻する。死んで、また生まれる。

その繰り返しから抜け出すことが、**モークシャ**(解脱)である。

そして——**この町で死ねば、解脱できる**。

(シヴァが、死にゆく者の耳に、解脱の真言を囁く、とされる。)

だから、人が**死ぬために来る**。

(**ムクティ・バワン**——「解脱の家」と呼ばれる施設がある。死期の近い者が、家族とともに滞在する。滞在は原則15日まで。死ななければ、帰る。)

**火**。

**マニカルニカー・ガート**の火は、**数百年、絶えていない**とされる。

(その火から、新しい薪に火を移す。管理しているのは、**ドーム**と呼ばれる人々である。彼らはカースト制度の中で最も低い位置に置かれてきた——遺体に触れる仕事だからである。

そして同時に、**彼らだけが、聖なる火を扱う権利を持つ**。遺族は、彼らから火を買わなければならない。この逆説的な地位が、長く論じられてきた。)

**工程**。

(1)遺体を、白い布(あるいは既婚の女性なら赤や金の布)で包み、竹の担架に載せて運ぶ。

(2)道中、「**ラーム・ナーム・サティヤ・ヘ**」(神の名こそ真実である)と唱えながら歩く。

(3)ガートで、**ガンジス川に浸す**。

(4)薪を積み、その上に遺体を置き、さらに薪を積む。

(5)長男(あるいは最も近い男性の親族)が、頭を剃り、白い布をまとい、遺体の周りを**5回**回って、口元に火をつける。

(6)**約3時間**、焼く。

(7)最後に、長男が、竹の棒で**頭蓋骨を割る**(**カパール・クリヤー**)。

(魂を解放するためとされる。)

(8)灰と、焼け残った骨を、川へ流す。

**墓は、作らない**。

**残さない**。

(体は器である、という考え方である。魂が去った後の体に、意味はない。

——これは、エジプトの正反対である。エジプトは、魂が戻る場所として、体を保存した。)

**例外**。

火葬されない者がいる。

- **サードゥ**(聖者、遊行者)——既に解脱しているとされるので、焼く必要がない。石を結んで、川に沈める。 - **子ども**(5歳以下とされることが多い)——まだカルマを積んでいない。 - **妊婦**。 - **蛇に噛まれて死んだ者**。 - **天然痘で死んだ者**(女神の意志によるとされた)。 - **ハンセン病の患者**。

これらは、**水葬**される。

**費用**。

一体を焼くのに必要な薪——**300〜400キログラム**。

(材質によって値段が違う。白檀は最も高価で、貧しい者には手が届かない。)

薪の代金と、火の代金と、儀礼の費用。

**多くの人にとって、これは高い**。

**問題**。

**(1)焼き切れない遺体**。

薪が足りなければ、途中で終わる。

そして、焼け残った体が、**川に流される**。

(この問題は、繰り返し報じられてきた。)

**(2)川の汚染**。

ガンジス川は、火葬の灰と遺体だけでなく、工業排水と、生活排水と、農薬を受けている。

(ヴァーラーナシー付近の水質は、極めて悪い。糞便性大腸菌群が、安全基準の数百倍から数千倍という測定がある。

それでも、人々はそこで沐浴し、口をすすぎ、そして水を持ち帰る。信仰と、実測値が、同じ川の上で並んでいる。)

**(3)木材**。

インド全体で、火葬に使われる木材は、**年間数千万本の樹木に相当する**という推計がある。

**対策**。

- **電気火葬炉**(1980年代から設置された)。安く、木を使わない。**ほとんど使われていない**。(伝統的な火のほうが正しい、という感覚が強い。) - **改良型の火葬台**(金属製。同じ量の薪で、より効率よく焼ける)。普及は限定的。 - 1986年から、政府の**ガンガー行動計画**。効果は限定的とされる。2014年から**ナマミ・ガンゲ**計画。

**他の弔い方**。

インドの中でも、一様ではない。

- **イスラーム教徒**——土葬。 - **キリスト教徒**、**ユダヤ教徒**——土葬。 - **パールシー**(ゾロアスター教徒。主にムンバイ)——**鳥葬**。「沈黙の塔」(ダフマ)の上に遺体を置き、ハゲワシに食べさせる。

(火も土も水も、聖なるものである。遺体でそれを汚してはならない、という論理である。

——そして、この方法が、いま危機にある。1990年代から、インドのハゲワシが**激減した**。原因は、家畜に使われた鎮痛剤**ジクロフェナク**である。それを摂取した死体を食べたハゲワシが、腎不全で死ぬ。

インドのハゲワシの個体数は、**20年で99%以上減った**。パールシーの共同体は、太陽光の集光装置を使うなどの代替を試みている。)

- **チベット**——**天葬**。遺体を解体して、ハゲワシに与える。(高地で、木も土も乏しい。合理的な方法でもある。)

**世界の火葬率**。

- **日本**——**99.9%以上**。世界で最も高い。 - インド——約85%。 - イギリス——約78%。 - アメリカ——約60%(2010年代に土葬を上回った)。 - イタリア、アイルランド——30%前後。 - ギリシャ、ポーランド——低い(正教会とカトリックの伝統による)。

(日本の火葬率が極端に高いのは、明治以降の政策——1873年に一度火葬が禁止され、2年で撤回された——と、都市の土地の問題と、そして仏教の伝統が重なっている。)

**そして**。

マニカルニカー・ガートでは、いまも、一日に**200体前後**が焼かれている。

昼も、夜も。

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