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Event / できごと

蒸気消防ポンプ

The steam fire engine
AD1853年
重要度 3
大英帝国カナダアメリカ合衆国デンマークアメリカ合衆国ヌエバ・エスパーニャ副王領スペイン帝国スペインAD1853年シンシナティ
このできごとには、まだ自由に使える図版が見つかっていません。 代わりに、このデータベースが持っているAD1853年の版図を描いています(8勢力)

概要

手押しポンプは、四十人が交代で漕いでも高い建物に水が届かず、人が疲れれば水が止まる。蒸気機関に汲ませればよい。1829年にロンドンで作られたものは、消防隊員自身の反対で使われなかった。仕事が奪われるためである。1853年、シンシナティが公費で運用を始めた。市は同時に、有志の消防組を廃して有給の職員に切り替えた。喧嘩と政治の温床でもあった有志組が、常勤の職業に変わる転機になった。

場所

シンシナティ
39.10°N -84.51°E · アメリカ・オハイオ州

本文

**手押しポンプ**。

(——**「エンジン」**と呼ばれた**。

**構造**——**二気筒の往復ポンプ**。**両側に、長い梃子の腕(ブレーキ)が付いている**。

**そこに、**人が並んで、上下に漕ぐ**。

〈**大型のもので、**片側に20人以上、両側で40人以上**。

**そして、**交代する**。**——だから、**現場に、100人以上が要る**。〉

**問題**。

**(1)**人が、疲れる**。

〈**全力で漕げるのは、**数分**である**。

**——そして、**疲れれば、水が止まる**。〉

**(2)**水圧が、足りない**。

〈**三階、四階の窓には、**届かない**。〉

**(3)**水の供給**。

〈**バケツで、注ぎ込む**。

**——**19世紀に、消火栓(hydrant)が普及するまで、**水源からの手渡し**である**。〉)

**蒸気**。

**1829年、ロンドン**。

(**ジョージ・ブレイスウェイト**と、**ジョン・エリクソン**が、**世界最初の蒸気消防ポンプ**を作った**。

〈**エリクソンは、後に、**南北戦争の装甲艦モニター号**を設計する人物である**。〉

**性能**——**十分から二十分で、蒸気が上がる**。

**毎分、約900リットル**を、**約27メートルの高さ**まで送った**。

**——**手押しポンプの、数倍**である**。

**そして——**使われなかった**。**)

**なぜか**。

(**(1)**消防隊員が、反対した**。

〈**理由——**仕事が、無くなる**。

**——手押しポンプは、**大量の人手**を必要とする**。

**その人手は、**現場で雇われる**。

**〈ロンドンでは、**通りがかりの人足に、**その場で金を払って漕がせた**。**

**——それが、**貧しい者の、臨時の収入だった**。〉

**そして、**有志の消防組にとっては、**組の存在理由そのもの**である**。〉

**(2)**保険会社が、金を出さなかった**。

〈**高価である**。**そして、**重い**(数トン)。**馬が要る**。〉

**(3)**そして、**信用されなかった**。

〈**「ボイラーが爆発する」**。

——**当時の蒸気機関の評判である**。〉)

**——**この装置は、**約十回、実戦で使われて、そして、忘れられた**。〉)

**再登場**。

**1852年、シンシナティ**。

(**アメリカ、オハイオ州**。

**人口、約115,000人**(当時、アメリカ第6位の都市)。

**事情**。

〈**有志の消防組が、**手に負えなくなっていた**。

**——**組が、**事実上の徒党**になっていた**。

**現場で、**組同士が乱闘した**。

**火事が燃えている前で、**先に消火栓に着いた組と、後から来た組が、殴り合った**。

**〈そして、**放火して、自分の組が「活躍」する機会を作った**という疑いも、繰り返し語られた。〉**

**1851年、**大きな乱闘があった**。

**——市議会が、**動いた**。〉)

**製作**。

(**アレクサンダー・ボナー・レイサム**(機械工)と、**モーゼス・ラティ**(機関車の製造者)。

**——市の後援で、作られた**。

**1852年1月1日、**公開の試験**。

**名——**「アンクル・ジョー・ロス」**(市議会議員の名から)。

**重量——**約10トン**。

〈**——**重すぎる**。**馬四頭で、やっと動く**。

**そして、**道路を壊した**。〉

**性能**——**毎分、約3,400リットル**。**六本の放水口**。

**——**手押しポンプの、比較にならない**。〉

**1853年**。

**シンシナティが、**世界で最初に、公費で運営する、蒸気ポンプを備えた常勤の消防局**を設立した**。

(——**同時に、**有志の組を、廃止した**。

**〈これが、本当の変化である。〉**

**人員——**当初、約40人**の、**有給の職員**。

**——**それまでの、数百人の有志に代わって**。

**そして、**24時間、詰所にいる**。〉)

**抵抗**。

(——**有志の組は、**激しく反対した**。

〈**組の器具を、**引き渡すことを拒んだ**。

**そして、**新しい蒸気ポンプの出動を、妨害しようとした**、という記録がある**。

**——**それでも、**性能の差が、明白だった**。〉

**そして、**数年で、アメリカ中の都市が、これに続いた**。

〈**ボストン(1854年)、セントルイス、ニューヨーク(1865年)、フィラデルフィア(1871年)**。〉)

**その後の系譜**。

(**(1)**馬**。

〈**蒸気ポンプは、重い**。**——**馬が、引く**。

**そして、**馬が、訓練された**。

**〈鐘が鳴ると、**馬が、自分で馬房から出て、車の前に立った**、という記録がある。〉**

**——**消防署の「ポール」(滑り棒)**も、この時代の発明である**(1878年、シカゴ)。

**〈階段を降りるより速い。〉**〉

**(2)**内燃機関**(1900年代から)。

〈**1920年代までに、**馬が、消えた**。〉

**(3)**そして、**消火栓と、水道**。

〈**——実は、**これが、最も重要である**。

**いくら強力なポンプがあっても、**水が無ければ、意味が無い**。

**19世紀後半、**都市の上水道**が整備された**。

**——**その主要な目的の一つが、**消火**である**。

**〈公衆衛生と、消防が、同じ工事の中にあった。〉**〉)

**そして、いま**。

(——**蒸気ポンプは、**1920年代に消えた**。

**しかし、**この時期に起きた、本当の変化は、**装置ではない**。

**「有志の組」から、「常勤の職員」へ**。

**——**消防が、**都市が金を払って維持する、常設の役務**になった**。

〈**そして、**アメリカでは、いまも、**消防士の約6割が、ボランティアである**。

**——**人口の少ない地域では、有志の消防団が、担っている**。

**日本の消防団と、同じ構造である**。〉)

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