概要
黒死病で人手が減り、賃金を抑える法と人頭税に農民が怒った。ロンドンを占拠し、王と会い、指導者は殺された。それでも農奴制は崩れていく。
場所
ロンドン
51.51°N -0.13°E · イギリス・イングランド
51.51°N -0.13°E · イギリス・イングランド
本文
黒死病で働き手が半分近く減った。 残った農民は賃金を上げられるはずだったが、 1351年の労働者法が賃金を疫病の前の水準に抑えた。 そこへ、フランスとの戦費のために人頭税が三度課された。
1381年6月、エセックスとケントで徴税人が追い出され、 ワット・タイラーを頭にした農民がロンドンへ向かった。 市の門は内側から開けられた。 大法官と財務長官が引き出されて殺された。
14歳の王リチャード2世が農民と会い、農奴制の廃止を約束した。 翌日、二度目の会見でタイラーは市長に刺されて死んだ。 約束は取り消され、指導者は処刑された。
反乱は負けた。 それでも人頭税は二度と課されず、農奴制は一世紀のうちに事実上消えた。 土地を持つ側が、人手を繋ぎ止めるために譲ったからになる。
『国家はなぜ衰退するのか』は、 同じ疫病のあと、西ヨーロッパでは農民の立場が上がり、 東ヨーロッパではかえって農奴制が強まったことを、 小さな違いが岐路で大きな違いになる例にした。
動画(1)
出典(2)
ダロン・アセモグル、ジェイムズ・A・ロビンソン(鬼澤忍 訳) 『国家はなぜ衰退するのか 権力・繁栄・貧困の起源』第4章 小さな相違と決定的な岐路
カール・ポランニー(野口建彦、栖原学 訳) 『大転換 市場社会の形成と崩壊』第4章(社会が自分を守ろうとする動き)