概要
アメリカがドルと金の交換をやめた。世界の通貨から、金という裏づけが消える。以後のお金は、国家への信用そのものになった。
場所
ワシントンD.C.
38.91°N -77.04°E · アメリカ合衆国
38.91°N -77.04°E · アメリカ合衆国
本文
1971年8月15日の日曜日、ニクソンはテレビで演説した。 ドルと金の交換を、一時的に停止する。
一時的とされたが、戻らなかった。
戦後の仕組みでは、ドルだけが金と交換でき、 他国の通貨はドルとの比率で固定されていた。 ベトナム戦争と国内政策で外へ出たドルが、アメリカの持つ金の量を大きく超えていた。 フランスなどが実際に金と交換しはじめ、続けられなくなった。
これで、世界のどの通貨も金の裏づけを持たなくなった。 価値を支えるのは、それを発行する国家への信用だけになる。 為替は変動制に移り、金融の規模がそこから桁を変えて膨らんでいく。
『負債論』は、この日を本の最終章の始まりに置いた。 歴史には、現金の時代と信用の時代が交互に来る。 1971年は、また信用の時代に入った日になる。 そしてその新しい時代がどうなるかは、まだ分からない、と本は書いて終わる。
出典(1)
デヴィッド・グレーバー(酒井隆史 訳) 『負債論 貨幣と暴力の5000年』第12章(1971年から現在まで)