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Event / できごと

マッチ工場の少女たち

The matchgirls' strike
AD1888年7月5日
重要度 4
大英帝国ロシア帝国グリーンランドオスマン帝国ドイツ帝国アラビアポルトガル帝国エジプトスウェーデン=ノルウェースペイン帝国オーストリア=ハンガリー帝国フランススペイングレートブリテン及びアイルランド連合王国Algeria (FR)モロッコイタリアルーマニアブルガリアアイスランドギリシャデンマークセルビアボスニア・ヘルツェゴビナAD1888年7月5日ロンドン
このできごとには、まだ自由に使える図版が見つかっていません。 代わりに、このデータベースが持っているAD1888年7月5日の版図を描いています(24勢力)

概要

白リンの蒸気を吸い続けると顎の骨が腐る。「燐顎」と呼ばれ、患部は暗闇で青白く光り、外科医は骨を削り取るしかなかった。ロンドン東部のブライアント・アンド・メイ社では、十代の少女が長時間働き、遅刻や取り落としに罰金を科されていた。アニー・ベサントが労働の実態を記事にすると、会社は署名を強要しようとし、拒んだ女性が解雇された。千四百人が仕事を止めた。三週間で罰金制度が廃され、組合ができた。白リンの使用が英国で禁じられるのは、その二十年後である。

場所

ロンドン
51.51°N -0.13°E · イギリス・イングランド

本文

**燐顎**。

(——**「フォッシー・ジョー」**(phossy jaw)。

〈**——**正しくは、**リン性顎骨壊死**。

**——**白リンの蒸気を、**吸い続けると、起きる**。〉

**——**進み方**。

〈**(1)**まず、**歯が、痛む**。

**〈——虫歯や、抜歯の跡から、入ることが多い。〉**

**(2)**そして、**顎が、腫れる**。

**(3)さらに、**膿が、出る**。

**〈——独特の、**強い臭い**がある。〉**

**(4)そして、**骨が、腐っていく**。

**〈——暗闇で、**青白く、光った**という証言が、複数、残っている。**

**——リンの、発光である。〉**

**(5)さらに、**顎の骨を、**外科的に、削り取る**しかない**。

**〈——顔が、変形する。**

**——手術をしなければ、**臓器の障害で、死ぬ**ことが多かった。〉〉**

**——**そして、**避けられた**。

〈**——**罹った者は、**工場を、辞めさせられる**。

**——**そして、**記録に、残らない**。〉)

**ブライアント・アンド・メイ**。

(——**ロンドン東部、**ボウ**。

〈**——**1843年、**創業**。

**——**当時、**イギリス最大のマッチ会社**。

**——**そして、**株主への配当は、**年に、二割を超えていた**。〉

**——**働いていたのは**。

〈**——**多くが、**十代の少女**。

**——**アイルランド系の、**移民の家の子**が、多かった**。

**——**朝六時半から、夕方六時まで**。

**——**夏は、**朝六時から**。〉

**——**賃金**。

〈**——**週に、**四シリングから、九シリング**ほど**。

**——**そして、**罰金が、そこから引かれた**。〉)

**罰金**。

(**(1)**遅刻**。

〈**——**半日分の賃金**。〉

**(2)**そして、**話をした**。

**(3)さらに、**手を洗った**。

**(4)そして、**マッチを、床に落とした**。

**(5)さらに、**作業台が、汚れていた**。

**(6)そして、**便所に、行った**。

〈**——**許可を、取らずに、行けば。〉

**——**現場監督が、**額を、決めた**。

〈**——**基準は、**書かれていない**。〉

**——**さらに**。

〈**——**食事を、**作業場で、取る**。

**——**手にリンが付いたまま、**パンを、掴む**。

**——**それが、**中毒の、大きな経路だった**。〉)

**記事**。

(**1888年6月23日**。

〈**——**週刊紙**『ザ・リンク』**。

**——**アニー・ベサント**(1847〜1933年)が、書いた**。

**〈——社会主義者。**

**——後に、神智学へ移り、インドの自治運動に加わる。〉**

**——**題は、**「ロンドンの白人奴隷」**という趣旨のもの**。〉

**——**きっかけは、**フェビアン協会の会合**である**。

〈**——**そこで、**この会社の労働条件が、報告された**。

**——**ベサントは、**工場の門で、**働く女性たちに、話を聞いた**。〉

**——**書いたこと**。

〈**——**賃金と、**罰金の一覧**。

**——**そして、**配当の額**。

**——**さらに、**会社が、**グラッドストンの像を建てるために、**賃金から、天引きした**という話**。

**〈——女性たちが、**除幕式で、腕を切って、血を像にかけた**という話が、伝えられている。〉〉)**

**7月5日**。

(——**会社が、**記事を、否定させようとした**。

〈**——**「労働条件に、不満は無い」**という書面に、**署名を求めた**。

**——**多くが、**拒んだ**。

**——**そして、**一人が、解雇された**。〉

**——**その日のうちに**。

〈**——**その職場が、**手を止めた**。

**——**翌日には、**工場全体**。

**——**千四百人**。〉

**——**組織されていなかった**。

〈**——**組合が、**先にあったのではない**。

**——**止まってから、**ベサントのところへ、行った**。

**——**「どうすればいいか」**と**。〉)

**三週間**。

(**(1)**基金**。

〈**——**新聞が、**取り上げた**。

**——**寄付が、**集まった**。〉

**(2)**そして、**行進**。

〈**——**議会へ、**歩いた**。

**——**議員が、**話を聞いた**。〉

**(3)さらに、**世論**。

〈**——**「配当二割の会社が、**便所に行った罰金を取る**」。

**——**この対比が、**効いた**。〉

**(4)そして、**7月中旬、**会社が、折れた**。

〈**——**罰金制度の、**廃止**。

**——**中間業者を通した賃金の、**やめ**。

**——**作業場と別の、**食堂**。

**——**そして、**組合の、承認**。〉

**——**マッチ女工組合**が、できた**。

〈**——**当時、**女性だけで作られた組合として、最大**。

**——**ベサントが、**初代の書記になった**。〉)

**その後**。

(**(1)**すぐには、**変わらなかった**。

〈**——**白リンの使用は、**続いた**。

**——**燐顎も、**続いた**。〉

**(2)**そして、**セイラム・アームズ**。

〈**——**1891年、**救世軍**が、**赤リンを使う工場を、開いた**。

**——**賃金は、**倍近い**。

**——**そして、**見学者を、入れた**。

**〈——「安全なマッチは、作れる」ことを、示すため。〉〉**

**(3)さらに、**1901年**。

〈**——**ブライアント・アンド・メイが、**白リンの使用を、やめた**。〉

**(4)そして、**1908年**。

〈**——**イギリスが、**白リンマッチの製造を、法で禁じた**。

**——**ストライキから、**二十年**。〉)

**残ること**。

(——**「新組合主義」**の、始まりとされる**。

〈**——**それまでの組合は、**熟練工のもの**だった**。

**——**技能があるから、**替えがきかない**。

**——**だから、**交渉できた**。〉

**——**この件は、**逆である**。

〈**——**替えのきく、**未熟練の、**若い女性たち**。

**——**それでも、**止められた**。

**——**翌年の、**ロンドン港湾ストライキ**が、これに続く**。

**〈——十万人。**

**——そして、勝った。〉〉**

**——**そして**。

〈**——**火を、**一秒で作れるようになった**([[friction-match]])。

**——**その一秒の代償を、**誰が払っていたか**が、**ここで、初めて、公に見えた**。

**——**便利さの値段は、**買う側の帳簿には、載らない**。〉)

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