概要
内戦の間、パリに亡命していたホッブズが書いた。自然状態は「万人の万人に対する闘争」で、人の生は「孤独で、貧しく、汚く、残忍で、短い」。人々は互いに契約して、全ての権利を一人の主権者に渡す。国家は人工の巨人。表紙の巨人は無数の小さな人でできている。王党派は無神論だと言い、議会派は王権論だと言った。近代の政治哲学の最初。
場所
51.51°N -0.13°E · イギリス・イングランド
関わった人(1)
トマス・ホッブズAD1588年4月5日–AD1679年12月4日 · 書いた本文
ホッブズは1640年、議会が招集されて内戦の匂いがしたとき、「最初に逃げた」(と自分で言った)。パリ。11年。マルセンヌの周りの科学者と、デカルトと(『省察』への反論)、そして亡命中の王太子チャールズに数学を教えた。
1651年4月、ロンドンのアンドリュー・クルックが出版した。『リヴァイアサン、または教会的および市民的コモンウェルスの素材、形態、権力』。
表紙。丘の上に巨人。王冠、右手に剣、左手に司教の杖。体は無数の小さな人でできている(顔を巨人に向けている)。下に街。左に城、王冠、大砲、武器、戦場(世俗の権力)、右に教会、司教冠、雷、論理の武器、公会議(教会の権力)。上に「Non est potestas Super Terram quae Comparetur ei(地上に彼に比べられる権力はない)」(ヨブ記41章)。ボスが描いた、と言われる。
第1部「人間について」。感覚、想像、言葉、理性、情念。人間は機械。第13章。自然状態。「人間は能力においてほぼ等しい」から、誰もが誰もを恐れる。「万人の万人に対する闘争(bellum omnium contra omnes)」。「そこには勤労の余地がない。その果実が不確かだから。土地の耕作も、航海も、建築も、知識も、芸術も、文字も、社会もない。最悪なのは、絶え間ない恐怖と、暴力による死の危険。そして人間の生は、孤独で、貧しく、汚く、残忍で、短い」。自然法:平和を求めよ。契約を守れ。
第2部「コモンウェルスについて」。人々が互いに「私は自分を統治する権利を、この人または合議体に譲る。あなたも同じことをするなら」と契約して、主権者が生まれる。主権者は契約の当事者でなく、契約に縛られない。分割できない。反乱の権利はない(ただし、自分の生命を守る権利だけは譲れない)。主権者は法を作り、財産を定め、教義を決める。「モータル・ゴッド(死すべき神)」。
第3部「キリスト教のコモンウェルスについて」、第4部「暗黒の王国について」。教会は主権者の下にある。教皇の権威は「亡びたローマ帝国の亡霊がその墓の上に冠をかぶって座っている」。
王党派は怒った(王権を契約から導き、神から導かなかった。そして、征服者クロムウェルへの服従を正当化するように読めた)。議会派は怒った(絶対主権)。聖職者は怒った(無神論、唯物論)。ホッブズは1652年、イングランドに帰って、クロムウェルの共和国に服従を誓った。1666年、下院が『リヴァイアサン』を無神論の本として調べる委員会を作った。チャールズ2世が守った(「熊」と呼んで可愛がった)。オックスフォード大学は1683年に焼いた。
ロールズ、ノージック、シュミット、そして国際関係論の「リアリズム」。20世紀の政治哲学は、まだホッブズと話している。