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Event / できごと

摩擦マッチ

The friction match
AD1826年
重要度 4
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このできごとには、まだ自由に使える図版が見つかっていません。 代わりに、このデータベースが持っているAD1826年の版図を描いています(22勢力)

概要

イングランド北東部の薬屋ジョン・ウォーカーが、調合中の棒の先が炉の縁に擦れて発火するのに気づいた。塩素酸カリウムと硫化アンチモンを練り、木の軸に付ける。紙やすりで擦れば、一瞬で燃える。彼は特許を取らず、作り方を隠さなかった。数年で各地が真似をし、白リンを使った安価な版が広まる。数分かかった作業が一秒になり、火は保つものから、要るときに作るものになった。ただし白リンは猛毒で、その代償は作る側が払うことになる。

場所

ストックトン・オン・ティーズ
54.57°N -1.32°E · イギリス・イングランド

本文

**薬屋**。

(——**ジョン・ウォーカー**(1781〜1859年)。

〈**——**イングランド北東部、**ストックトン・オン・ティーズ**。

**——**外科医の見習いから、**薬種商**になった**。

**〈——手術の場面に、**耐えられなかった**と伝えられる。〉**

**——**そして、**化学が、好きだった**。〉

**——**1826年**。

〈**——**発火する調合を、**探していた**。

**——**混ぜたものを、**棒で、練っていた**。

**——**そして、**その先が、**炉の縁に、擦れた**。

**——**燃えた**。〉)

**中身**。

(**(1)**塩素酸カリウム**。

〈**——**酸素を、**内側に、持っている**。

**——**外の空気を、**待たない**。〉

**(2)**そして、**硫化アンチモン**。

〈**——**燃える側**。〉

**(3)さらに、**アラビアゴム**。

〈**——**練り合わせて、**軸の先に、留める**ためのもの。〉

**(4)そして、**軸**。

〈**——**厚紙**、あるいは、**木片**。

**——**長さは、**七センチほど**。〉

**——**擦る相手**。

〈**——**折り畳んだ、**紙やすり**。

**——**間に挟んで、**引き抜く**。〉)

**売り方**。

(——**1827年4月、**最初の販売の記録が、彼の帳簿に残っている**。

〈**——**「Sulphurata Hyperoxygenata Frict.」**。

**——**そして、**百本で、一シリング**。

**——**やすり付き**。〉

**——**名前**。

〈**——**「コングリーヴ」**(Congreves)とも呼ばれた**。

**——**ロケット弾を作った**ウィリアム・コングリーヴ**にちなむ**。

**——**ウォーカー自身は、**「フリクション・ライト」**と呼んでいた**。〉

**——**そして、**特許を、取らなかった**。

〈**——**取るように、**勧められている**。

**——**ファラデー**が、勧めたという話が伝わる**。

**——**断った**。

**〈——理由は、はっきりしない。**

**——「人々の役に立つものだから」と言ったとされる。〉**

**——**結果として、**すぐに、真似された**。

**〈——1829年、ロンドンのサミュエル・ジョーンズが、**同じものを、売り出した**。〉〉)**

**白リン**。

(**1830年ごろ**。

〈**——**フランスの**ソーリア**、そして、**ドイツの**カンマラー**が、

**——**塩素酸カリウムの代わりに、**白リン**を使った**。〉

**——**利点**。

〈**(1)**どこで擦っても、**点く**。

**〈——壁でも、**靴の裏でも、**歯でも**。〉**

**(2)**そして、**安い**。

**(3)さらに、**確実である**。〉

**——**そして、**猛毒である**。

〈**——**致死量は、**数十ミリグラム**。

**——**マッチの頭、**数個ぶん**。

**——**十九世紀には、**自殺と、殺人**に、繰り返し使われた**。〉

**——**さらに、**作る側が、**慢性の中毒になる**。

〈**——**蒸気を、**吸い続ける**。

**——**顎の骨が、**腐る**。

**——**[[matchgirls-strike]]。〉

**——**自然に、**発火することもあった**。

〈**——**摩擦で。

**——**あるいは、**暑い日に、**箱の中で**。

**——**ポケットの中で燃えた、**という記録が、いくつも残っている**。〉)

**安全マッチ**。

(**1844年**。

〈**——**スウェーデンの**グスタフ・パッシュ**が、**思いついた**。

**——**発火に要るものを、**二つに、分ける**。〉

**——**やり方**。

〈**(1)**頭薬には、**塩素酸カリウム**などを、置く**。

**(2)**そして、**箱の側面に、**赤リン**を、塗る**。

**〈——赤リンは、**白リンと、同じ元素の、別の形**。**

**——毒性が、**遥かに低い**。〉**

**(3)さらに、**その面で擦ったときだけ、**点く**。〉

**——**1855年**。

〈**——**ヨハン・エドヴァルド・ルンドストレーム**が、**実用にした**。

**——**イェンチェピング**(スウェーデン)。

**——**パリ万博で、**賞を得る**。〉

**——**それでも、**白リンは、消えなかった**。

〈**——**安全マッチは、**箱が要る**。

**——**そして、**高い**。

**——**「どこでも点く」ほうが、**売れ続けた**。〉

**——**禁止**。

〈**——**1906年、**ベルン条約**。

**——**白リンマッチの、**製造と輸入を、禁じる**国際条約**。

**——**イギリスは、**1908年に、法を通した**。

**——**アメリカは、**条約に加わらず、**1912年に、重い税をかけて、事実上、消した**。〉)

**何が、変わったか**。

(——**時間**。

〈**——**[[tinderbox]]で、**数分**。

**——**マッチで、**一秒**。〉

**——**場所**。

〈**——**火は、**炉に、縛られていた**。

**——**そして、**ポケットに、入った**。

**〈——だから、**煙草**が、変わる。**

**——街角で、**火を借りる**必要が、無くなった。〉〉**

**——**そして、**態度**。

〈**——**火は、**絶やさないもの**から、

**——**要るときに、**作って、捨てるもの**になった**。

**——**[[vestal-fire]]が、**千年やっていたこと**が、

**——**技術としては、**意味を、失った**。〉

**——**数**。

〈**——**十九世紀の終わりには、**世界で、年に、数千億本**が、作られていた**。

**——**安く、**小さく、**そして、**一度きり**。

**——**使い捨ての工業製品として、**早い例である**。〉)

**残ること**。

(——**ウォーカーは、**貧しくはならなかった**。

〈**——**薬屋として、**穏やかに、暮らした**。

**——**そして、**七十八歳で、死んだ**。

**——**墓は、**同じ町にある**。〉

**——**特許を取らなかったことについて**。

〈**——**惜しまなかったのか、**分からない**。

**——**だが、**取っていれば、**普及は、遅れた**だろう**。

**——**そして、**白リンの版が、**先に、広まった**。

**〈——彼の調合は、**毒ではなかった**。**

**——安くする過程で、**毒になった**。〉〉)**

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