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Event / できごと

最初の国勢調査

The first United States census
AD1790年8月2日
重要度 4
大英帝国ルパート・ランドスペイン帝国デンマーク=ノルウェーヌエバ・エスパーニャ副王領ルイジアナアメリカ合衆国アメリカ合衆国ケベックT'atsaot'ineスペインイギリスAcadian Peninsula (UK)AD1790年8月2日ニューヨーク
このできごとには、まだ自由に使える図版が見つかっていません。 代わりに、このデータベースが持っているAD1790年8月2日の版図を描いています(13勢力)

概要

合衆国憲法は、下院の議席と直接税を人口で割り振ると定め、そのために十年ごとに数えることを義務づけた。国家が、自分の民を定期的に数える最初の仕組みである。連邦保安官が戸別に回った。記録したのは世帯主の名と、六つの区分だけ。十六歳以上の自由白人男性、十六歳未満の自由白人男性、自由白人女性、その他の自由人、そして奴隷。総数 3,929,214人、うち奴隷 697,681人。奴隷は議席の計算では五分の三として数えられた。

場所

ニューヨーク
40.71°N -74.01°E · アメリカ合衆国

本文

**条文**。

**合衆国憲法、第1条第2節第3項**。

**「下院議員の数と直接税は、……各州の人口に応じて配分される**。

**人口は、年季契約労働者を含む自由人の総数に、課税されないインディアンを除き、その他のすべての者の五分の三を加えて算定する**。

**実際の人口調査は、第一回合衆国議会の最初の会期から三年以内に、その後は十年ごとに、法律の定める方法で行う」**。

(——**世界で初めて、憲法が、定期的な人口調査を義務づけた**。

**そして、その目的が、はっきり書かれている**。

**議席と、税である**。

〈**「国民の福祉のため」ではない**。

——**権力を、どう配るか**。それを決めるために、数える。〉)

**「その他のすべての者」**。

(——**奴隷である**。

**憲法は、その語を、避けた**。

**そして、五分の三として数えた**。

〈**三分の五条項**(Three-Fifths Compromise)。

**制憲会議での取引である**。

**南部——「奴隷を、人口に数えろ」**(議席が増える)。

**北部——「財産を人口に数えるのか」**。

——**そして、五分の三になった**。

〈**この妥協が、南部に、人口以上の議席と、大統領選挙人を与えた**。

**建国から南北戦争まで、大統領の多くが、奴隷所有者の南部人だった**。

**その一因が、この条項である、と論じられている。**〉

**1868年、修正第14条が、これを廃止した**。〉)

**実施**。

**1790年3月1日、法が成立**。

**調査の基準日——1790年8月2日**。

**誰が、数えたか**。

**連邦保安官**(U.S. marshals)と、**その助手**。

(——**専門の職員は、いない**。

**650人ほどが、戸別に回った**。

〈**紙も、支給されなかった**。

**保安官が、自分で紙を用意し、罫を引き、書式を作った**。

——**だから、書式が、地域によって違う**。〉

**そして、集計した表を、**教会と公共の場所に、掲示することが義務づけられた**。

**——誰かが、間違いを見つけられるように**。〉)

**項目**。

**六つだけ**。

**(1)世帯主の氏名**。

**(2)16歳以上の、自由白人男性**。

**(3)16歳未満の、自由白人男性**。

**(4)自由白人女性**(年齢の区分なし)。

**(5)その他の自由人**。

**(6)奴隷**。

(——**なぜ、男性だけ、16歳で分けたか**。

**兵役に就ける者と、就けない者を、知るためである**。

〈**軍事と、産業の潜在力**。

**ジェファソンとハミルトンが、それを知りたがった**。〉

**そして——女性は、年齢で分けられていない**。

**自由な黒人と、先住民は、「その他の自由人」に一括された**。

**奴隷には、名が無い**。**数だけである**。

〈**この点が、後に、系譜をたどる人々にとって、決定的な障壁になった**。

**——1870年より前の合衆国の記録に、多くの黒人の名が、無い**。〉)

**結果**。

**総人口——3,929,214人**。

(**うち、奴隷——697,681人**(約17.8%)。

**自由な黒人——59,527人**。

**先住民は、大部分が、数えられていない**(「課税されないインディアン」)。)

**最大の州——ヴァージニア(747,610人)**。

**都市——フィラデルフィア、ニューヨーク、ボストン、チャールストン、ボルティモア**。

(——**人口5,000人以上の場所に住む者は、全体の5%に満たない**。

**圧倒的に、農村である**。)

**反応**。

**ワシントンとジェファソンは、**少なすぎる**と考えた**。

(**ジェファソンの手紙**——「**われわれは、実際より少なく数えられたと信じる**」。

**理由の推測**——

**(1)辺境の住民が、税を恐れて、申告を避けた**。

**(2)宗教的な理由**。

〈**旧約聖書、サムエル記下24章**。

**ダビデが、民を数えた**。**そして、神が疫病を下した**。

——**「数えられること」を、罪と結びつける観念が、あった**。〉

**(3)そして、単純に、届かない場所があった**。)

**その後**。

**十年ごとに、続いている**。

(——**一度も、途切れていない**。

**南北戦争の最中も、二つの世界大戦の最中も、行われた**。

**2020年まで、23回**。)

**項目は、増え続けた**。

(**1850年——初めて、世帯全員の名前を記録した**。

〈**奴隷は除く**。奴隷は、別の「奴隷表」に、年齢・性別・肌の色だけで記載された。**名は、無い**。〉

**1890年——電気式の集計機**。

〈**ハーマン・ホレリスのパンチカード**。

**手作業なら十年かかると言われた集計が、二年半で終わった**。

——**そして、彼の会社が、後にIBMになった**。〉

**1940年——標本調査(抽出)を導入**。

**2020年——初めて、オンラインでの回答を主とした**。)

**失われた記録**。

(**1790年から1820年の記録の一部**——**1812年戦争のとき、ワシントンが焼かれた際などに失われた**、とされる。

**そして——1890年の記録**。

**1921年1月10日、商務省の建物の地下で、火災**。

**——水と煙で、大半が損傷した**。

**1935年、議会の承認を得て、残りが廃棄された**。

〈**復元は、不可能である**。

**1890年に生きていた人々の、ほとんどの記録が、無い**。

——**系譜研究における、最大の空白**と呼ばれる。〉)

**そして、いま**。

**数えることは、政治である**。

(**議席の再配分**(reapportionment)。

**そして、選挙区の線引き**(redistricting)。

——**どこに、誰が、何人いるか**。それが、議席を決める。

**だから、「誰を数えるか」が、争われ続けている**。

〈**2019年、トランプ政権が、国勢調査に市民権の質問を加えようとした**。

**最高裁が、示された理由が「作り事のように見える」として、差し止めた**。

——**質問があれば、移民の世帯が回答を避け、その地域が過少に数えられる、という懸念があった**。

**そして、それは、議席と、連邦の予算配分に、直接効く**。〉

**——数えることは、中立ではない**。

**1790年の憲法が、それを、正直に書いていた**。

**議席と、税のため、と**。)

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