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Event / できごと

最初の摩天楼

The first skyscraper
AD1885年
重要度 4
カナダアメリカ合衆国グリーンランドメキシコスペイングレートブリテン及びアイルランド連合王国グアテマラAD1885年シカゴ
このできごとには、まだ自由に使える図版が見つかっていません。 代わりに、このデータベースが持っているAD1885年の版図を描いています(7勢力)

概要

組積造では、高くするほど下の壁を厚くしなければならない。十六階建てなら、一階の壁が二メートルを超える。窓も床面積も失われる。ウィリアム・ル・バロン・ジェニーは、シカゴのホーム・インシュアランス・ビルで、鉄と鋼の骨組みに建物の重さを負わせ、壁を単なる覆いにした。十階、四十二メートル。壁が薄くなり、大きな窓が開いた。エレベーター、鉄骨、電話、そして大火の後の地価が、同じ場所で重なった。

場所

シカゴ
41.88°N -87.63°E · アメリカ・イリノイ州

本文

**限界**。

(——**組積造**(石と煉瓦を、積む)。

〈**——**壁が、**建物の重さを、全部、支える**。

**——**だから、**高くするほど、**下の壁を、厚くしなければならない**。〉

**例**。

〈**——**シカゴの**モナドノック・ビル**(1891年、北半分)。

**——**十六階、**六十メートル**。

**——**組積造としては、**世界で最も高い**。

**そして、**一階の壁の厚さが、**約1.8メートル**である**。

**〈——場所によっては、それ以上。〉**

**——**その厚さの分だけ、**床面積が、失われる**。

**そして、**窓が、**深い穴の底になる**。

**——**「これが、限界である」**。〉)

**シカゴ**。

(——**なぜ、シカゴか**。

〈**(1)**1871年、**大火**。

**——**街の中心部が、**焼けた**。

**〈死者、約300人。**

**——10万人が、家を失った。〉**

**——**そして、**土地が、**空いた**。

**そして、**建て直しの需要が、一度に、来た**。

**(2)**地価**。

**——**再建で、**中心部の地価が、暴騰した**。

**——**「同じ土地から、**より多くの床を、取らなければ、割に合わない」**。

**(3)**鉄と鋼**。

**——**ベッセマー法**(1856年)と、**平炉法**。

**——**鋼が、**安く、大量に、作れるようになっていた**。

**〈——それまで、鋼は、**刃物と、ばねの材料**である。**

**——建築に使う量は、作れなかった。〉**

**(4)**そして、**昇降機**と、**電話**と、**電灯**。

**〈——高い階を、**使えるようにする道具**が、**同じ時期に、揃った**。〉**

**(5)さらに、**地盤**。

**——**シカゴは、**軟弱な粘土**の上にある**。

**〈——だから、**建物を、軽くしなければならない**。**

**——組積造の、厚い壁は、**沈む**。**

**——これが、**鉄骨へ向かう、もう一つの理由**である。**

**そして、**「浮き基礎」**(フローティング・ファンデーション)**という技法が、ここで発達した。〉**〉)

**ジェニー**。

(**ウィリアム・ル・バロン・ジェニー**(1832〜1907年)。

〈**——**マサチューセッツの生まれ**。

**そして、**パリの**中央工芸学校**(École Centrale)で、**工学を学んだ**。

**〈——エッフェルの、一年後輩である。〉**

**——**南北戦争で、**北軍の技師**として従軍した**。

**〈——シャーマンとグラントの下で、**橋と、防御陣地を、作った**。〉**

**そして、**シカゴで、**設計事務所を開いた**。〉

**ホーム・インシュアランス・ビル**。

〈**——**1884年着工、1885年竣工**。

**——**当初、**十階**。**1890年、**二階、増築**。

**高さ——**約42メートル**(増築後、約55メートル)。

**構造**。

**〈——**鉄と鋼の骨組み**が、**建物の重さを、支える**。**

**——外壁の煉瓦は、**自分自身の重さを、階ごとに、骨組みに預けている**。**

**——つまり、**構造ではなく、覆いである**。**

**〈「カーテンウォール」の、原型である。〉〉**

**——**そして、**上層階に、**当時としては新しい、**ベッセマー鋼の梁**が、使われた**。

**〈——下層は、鋳鉄と錬鉄。〉**〉

**逸話**。

〈**——**ジェニーが、**構造を思いついたのは、**家で、妻が、**重い本を、鳥籠の上に置いたのを見たとき**だった、と伝えられる**。

**——**「細い針金の籠が、**あの重さを、支えている」**。

**〈——この話は、**後年に語られたもの**であり、**確証は無い**。〉**〉)

**「最初」か**。

(——**議論がある**。

〈**(1)**完全な鉄骨造ではない**。

**——**一部の壁が、**まだ、荷重を負っていた**、という指摘がある**。

**〈——1931年、**この建物が取り壊されるとき、**

**シカゴの建築家たちが、**委員会を作って、調査した**。**

**——そして、「これが最初の摩天楼である」と、結論した。**

**——ただし、その調査は、**地元の名誉が、かかっていた**。〉**

**(2)**そして、**より早い、あるいは、より純粋な例**が、**候補として、挙げられる**。

**〈——**ニューヨークの、エクイタブル生命ビル**(1870年、昇降機を備えた事務所建築)。**

**——**シカゴの、第一ライター・ビル**(1879年、ジェニー)。**

**——**そして、**ラルフ・モジャースキーの評価**。〉**

**(3)さらに、**「摩天楼」の定義**そのものが、**曖昧である**。〉

**——**それでも**。

〈**——**この建物で、**「壁が、支えるのをやめた」**。

**——**そして、その後の高層建築が、**すべて、その原理**である**。〉)

**その後**。

(**シカゴ派**。

〈**——**ルイス・サリヴァン**、**ダンクマー・アドラー**、**バーナムとルート**。

**そして、**「シカゴ窓」**——**中央の大きな固定窓の両側に、開く小さな窓**。

**〈——壁が、構造でなくなったから、**幅の広い窓**が、開けられる。〉**

**そして、**サリヴァンの言葉**。

**「形は、機能に従う」**(Form follows function)。

**〈——正確には、「**形は、常に、機能に従う**。**

**これが、法則である」**(1896年)。〉〉**

**ニューヨークへ**。

〈**——**1890年代から、**高さの競争**が、始まった**。

**——**フラットアイアン**(1902年、87メートル)。

**——**ウールワース**(1913年、241メートル)。

**——**クライスラー**(1930年、319メートル)。

**——**エンパイア・ステート**(1931年、381メートル)。

**〈——大恐慌の最中に、**一年余りで、建てられた**。**

**——そして、しばらく、**入居者が、集まらなかった**。**

**——「エンプティ・ステート・ビル」と、呼ばれた。〉**〉

**そして、いま**。

〈**——**ブルジュ・ハリファ**(ドバイ、2010年、828メートル)。

**——**そして、**サウジアラビアで、**1キロメートルを超える建物**が、計画されている**。〉

**——**ホーム・インシュアランス・ビル**。

〈**——**1931年、**取り壊された**。

**——**四十六年**である**。

**そして、その場所に、**別のビルが、建った**。〉)

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