概要
共有地に柵が立ち、法で私有地になった。羊と機械のために土地が空き、行き場を失った人びとが工場の働き手になる。土地が売り買いされる商品になった過程でもある。
場所
ロンドン
51.51°N -0.13°E · イギリス・イングランド
51.51°N -0.13°E · イギリス・イングランド
本文
イングランドの村には、長いあいだ共有地があった。 誰の土地でもなく、村人が家畜を放し、薪を拾い、泥炭を切った。 土地を持たない人でも、そこで生きていける余地があった。
16世紀から少しずつ囲われ、18世紀の後半に議会が加速させた。 1750年から1850年のあいだに、4000を超える囲い込み法が通り、 イングランドの土地の五分の一ほどが対象になった。
理屈はあった。 共有地は使い方が非効率で、囲えば収量が上がる。 実際に上がった。
失ったのは、権利を証明する書き付けを持たない人びとになる。 慣習で使ってきただけの権利は、法廷では弱い。 村を出た人びとが、都市の工場に働き手として現れる。
ポランニーはこれを「悪魔のひき臼」と呼んだ。 土地という、本来は人の暮らしそのものだったものを、 売り買いできる商品として扱いはじめた過程になる。
同じことが、労働と貨幣にも起きた、というのが『大転換』の筋になる。
出典(1)
カール・ポランニー(野口建彦、栖原学 訳) 『大転換 市場社会の形成と崩壊』第3章・第4章(「悪魔のひき臼」と土地の商品化)