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Event / できごと

アリスモメーター

The Arithmometer
AD1851年
重要度 3
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このできごとには、まだ自由に使える図版が見つかっていません。 代わりに、このデータベースが持っているAD1851年の版図を描いています(24勢力)

概要

パスカルとライプニッツ以来、計算機は作られてきたが、どれも一点物で、壊れやすく、実用にならなかった。保険会社の経営者トマ・ド・コルマーは、段付きの歯車を使う機構を1820年に特許にし、その後三十年をかけて、毎日使っても狂わない機械に仕上げた。四則が扱える。1851年から量産に入り、以後半世紀で数千台が売れた。買ったのは保険会社、天文台、測量局、そして軍である。事務の現場に機械が入った最初である。

場所

パリ
48.86°N 2.35°E · フランス

本文

**それまで**。

**計算機は、作られてきた**。

(**1623年、**ヴィルヘルム・シッカート**(テュービンゲン)。

〈**——**ケプラーに宛てた手紙に、図が描かれている**。

**実物は、**火事で焼けた**。

**そして、**忘れられた**。**1950年代に、手紙が再発見された**。〉

**1642年、**パスカリーヌ**(ブレーズ・パスカル、19歳)。

〈**——**父が、税務官だった**。**その計算を、助けるため**。

**足し算と引き算のみ**。

**約20台が作られ、**そして、**高価で、壊れやすかった**。〉

**1673年、**ライプニッツ**。

〈**——**段付き歯車**(Staffelwalze)**を発明した**。

**これで、**掛け算と割り算**ができる**。

**——**しかし、**実物は、まともに動かなかった**。

**〈桁上がりの機構に、欠陥があった。二台作られ、現存する一台は、1893年に屋根裏で発見された。〉**〉

**——**つまり**。

**二百年間、**構想はあったが、実用の機械は、無かった**。〉)

**なぜ、難しいか**。

(**(1)**桁上がり**。

〈**——**9に1を足すと、**次の桁へ、繰り上がる**。

**そして、**999,999 に 1 を足すと、**六桁が、連鎖して繰り上がる**。

**——**そのとき、**歯車を回すのに、大きな力が要る**。

**そして、**どこかで、引っかかる**。〉

**(2)**加工の精度**。

〈**——**歯車を、**均一に、正確に作る**必要がある**。

**手作りでは、**一台ごとに、癖がある**。〉

**(3)**耐久性**。

〈**——**毎日、何百回も回す**。

**そして、**摩耗する**。〉)

**人**。

**シャルル・グザヴィエ・トマ・ド・コルマー**(1785〜1870年)。

(——**数学者ではない**。

**保険会社の、経営者**である**。

〈**「フェニックス」**、そして**「ソレイユ」**——**フランスの、大手の火災保険会社**。

**彼が、創立者の一人であり、経営者である**。〉

**——**つまり、**毎日、大量の計算をする組織**を、動かしていた**。

〈**保険料の計算**。**死亡率の表**。**利息**。

**——**事務員が、手で、延々と計算している**。〉)

**特許**。

**1820年**。

(——**ライプニッツの、段付き歯車**を使った**。

**〈長さの違う歯が、円柱に並んでいる。〉**

**そして、**桁上がりの機構**を、作り直した**。

**——**確実に動くように**。〉)

**そして、三十年**。

(——**特許は、1820年である**。

**しかし、**売れる製品になったのは、1851年**である**。

〈**——**その間、彼は、**改良を続けた**。

**そして、**保険会社の経営で、金を稼ぎながら**、**その金を、この機械に注ぎ込んだ**。

**〈——彼にとって、これは、副業である。〉**〉

**1851年、**ロンドン万国博覧会**に出品**。

**そして、**量産に入った**。〉)

**性能**。

(**四則演算**。

**桁——**当初、六桁×六桁、後に、二十桁**のものも作られた**。

**操作**。

〈**(1)**滑り子(スライド)で、数を設定する**。

**(2)**クランクを、回す**。

**(3)**答えが、窓に出る**。

**掛け算——**繰り返し足す**。

**〈滑り子を、桁の分だけ、横に動かす。〉**

**割り算——**繰り返し引く**。〉

**速度**。

〈**——**熟練者で、**掛け算一回に、十数秒**。

**——**手計算より、**確実に速く、そして、確実に正しい**。〉

**大きさ**。

〈**——**箱に入っていて、**机の上に置く**。

**〈木の箱に、真鍮の機構。〉**

**そして、**重い**(数キロ)。〉)

**売れた**。

(——**1851年から1915年まで、**約5,000台**が作られた**。

〈**——**現代の感覚では、少ない**。

**しかし、**それまでは、ゼロだった**。〉

**買ったのは**。

〈**保険会社**(——**彼自身の会社が、最初の顧客である**)。

**天文台**。

**測量局**。

**銀行**。

**そして、**軍**(弾道の計算)。〉

**価格——**当時の労働者の、数年分の賃金**に相当した**。

**——**それでも、**元が取れた**。〉)

**その後**。

(——**特許が切れると、**模倣が、大量に出た**。

〈**ドイツの**バロース**、**ブルンスヴィガ**(オドナー式)。

**そして、**スウェーデンの**オドナー**。

**——**「ピン・ホイール式」**という、別の機構が、主流になった**。

**〈より小型で、安い。〉**〉

**日本**。

〈**1902年、**矢頭良一**の「自働算盤」**。

**そして、**1923年、大本寅治郎の「タイガー計算器」**。

**——**オドナー式である**。

**〈昭和期、日本の役所と会社の机に、これがあった。**

**そして、**1970年代まで、作られていた**。〉**〉

**そして——**1970年代、電卓が、これを消した**。〉)

**意味**。

(——**この機械が、**何を変えたか**。

**「計算」が、**技能から、操作になった**。

〈**——**それまで、**計算ができる人**は、**訓練を受けた人**である**。

**——**アリスモメーターは、**数分で、使い方を覚えられる**。

**そして、**間違えない**。〉

**——**事務の現場に、機械が入った、最初の例**である**。

**そして、その後**。

〈**タイプライター**(1870年代)。

**パンチカードの集計機**(1890年)。

**——**「事務」という仕事そのものが、**機械と人の組み合わせ**になった**。〉

**そして——**それを最初に必要としたのが、**保険会社の経営者**だった**、という点**。

〈**——**確率と、統計と、大量の数値を扱う仕事**が、**最初に、機械を求めた**。〉)

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