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Event / できごと

アルガン・ランプ

The Argand lamp
AD1780年頃
重要度 4
ポーランド・リトアニア共和国デンマーク=ノルウェーエジプトオーストリア帝国スペインモロッコAlgiersイギリスアイルランド王国TunisBrandenburgNaplesTripolitaniaCyrenaicaプロイセンAD1780年頃パリ
このできごとには、まだ自由に使える図版が見つかっていません。 代わりに、このデータベースが持っているAD1780年頃の版図を描いています(15勢力)

概要

油の灯は、二千年、ほとんど変わっていなかった。芯を油に浸し、火をつける。暗く、煤が出る。ジュネーヴ出身のエメ・アルガンは、芯を円筒にして内側にも空気を通し、その上にガラスの筒を立てた。煙突の効果で空気が引き上げられ、炎が完全に燃える。明るさが蝋燭十本分に達し、煤がほとんど出なくなった。夜の読書と、精密な作業と、そして灯台の光が、これで変わった。特許をめぐる争いで、彼自身は報われていない。

場所

パリ
48.86°N 2.35°E · フランス

本文

**二千年**。

(——**油の灯**。

〈**——**器に、油を入れる**。

**——**芯を、浸す**。

**——**火を、つける**。

**——**古代ローマの陶製のランプ**と、**18世紀のヨーロッパのランプ**の間に、**原理の違いが、ほとんど無い**。〉

**問題**。

〈**(1)**暗い**。

**——**蝋燭一本分**、あるいはそれ以下**。

**(2)**煤が、出る**。

**〈——芯の内側まで、**空気が届かない**。**

**——だから、**不完全燃焼する**。**

**——燃え残った炭素が、**煤**になる。**

**〈そして、それが、**部屋の天井と、本と、絵を、黒くした**。**

**——古い教会と邸宅の天井が黒いのは、**これである**。〉〉**

**(3)**炎が、揺れる**。

**(4)そして、**芯を、たびたび、切らなければならない**。

**〈——「芯切り」(snuffer)という道具が、必需品だった。〉**〉)

**アルガン**。

(**フランソワ=ピエール・エメ・アルガン**(1750〜1803年)。

〈**——**ジュネーヴの生まれ**。

**——**時計職人の家**、とされる**。

**そして、**化学を学んだ**。

**〈——**アントワーヌ・ラヴォアジエ**の講義を聴いた、とされる。**

**——燃焼が、**酸素との結合**である、という理解が、**当時、確立しつつあった**。〉**〉

**そして、**1780年頃、パリ**。

〈**——**彼が、何を、考えたか**。

**「燃焼には、**空気が要る**。

**——**もっと、空気を、当てればよい」**。〉)

**仕掛け**。

(**(1)**芯を、**円筒**にする**。

〈**——**平たい紐ではなく、**筒**である**。

**——**そして、**その内側にも、**空気の通り道を、作る**。

**——**外側からも、内側からも、**空気が、当たる**。〉

**(2)**その上に、**ガラスの筒**を、立てる**。

〈**——**煙突である**。

**——**熱で、**中の空気が、上昇する**。

**——**すると、**下から、新しい空気が、引き込まれる**。

**——**「通風」**(draught)。

**〈——アルガン自身が、**この効果を、偶然、見つけた**、という逸話がある。**

**——弟が、**割れたガラスの瓶を、炎の上に、かざした**。**

**——そして、炎が、**急に、明るくなった**。**

**〈確証は、無い。〉〉**

**(3)そして、**油を、**炎より高い位置に、置く**。

〈**——**重力で、芯へ、送る**。

**——**そして、**それが、後の「モデレーター・ランプ」と「アストラル・ランプ」の工夫につながる**。〉)

**結果**。

(——**明るさが、**蝋燭の、**六本から十本分**になった**。

〈**——**当時の記述で、**「十二本分」**とするものもある**。〉

**——**そして、**煤が、ほとんど出ない**。

**——**炎が、揺れない**。

**——**芯を、切らなくてよい**。

〈**——**完全に燃えるので、**炭化した芯が、残らない**。〉

**——**そして、**そのすべてが、**「空気を、多く当てる」**という一つのことから、出ている**。〉)

**何が、変わったか**。

(**(1)**夜の読書**。

〈**——**それまで、**夜に、細かい字を読むのは、**目を、痛める**。

**——**そして、**多くの人が、**日が沈んだら、寝た**。〉

**(2)**精密な作業**。

〈**——**時計、彫版、そして顕微鏡の観察**。〉

**(3)**そして、**灯台**。

〈**——**アルガン式のランプを、**複数、並べる**。

**——**その後ろに、**放物面の反射鏡**を、置く**。

**——**それまで、**石炭の火**か、**大量の蝋燭**だった灯台の光が、**桁違いに、明るくなった**。

**〈——1782年、**スウェーデンのカールステン**が、反射鏡との組み合わせを、実用にした。**

**——そして、フランスとイギリスの灯台が、次々に、これに切り替えた。〉**〉

**(4)さらに——**社会の時間**。

〈**——**夜が、**使える時間になった**。

**——**そして、**工場の夜勤**が、**可能になった**。

**〈——ただし、**それを本格化させたのは、ガス灯である**。〉**〉)

**そして、報われなかった**。

(——**アルガンは、**フランスで特許を得た**(1784年)。

**そして、**イギリスでも**(1784年)。

**——**そして、**争いになった**。

〈**(1)**フランスの特許が、**取り消された**。

**〈——ケンケという薬剤師が、**同種のランプを、大量に売った**。**

**——そして、フランスでは、**この種のランプが、「ケンケ」(quinquet)と呼ばれるようになった**。**

**——発明者の名ではなく。〉**

**(2)**イギリスでも、**特許が、無効とされた**(1786年頃)。

**〈——「先行する発明がある」。〉**

**(3)そして、**フランス革命**。

**——**彼の工場が、**打撃を受けた**。〉

**1803年、**死去**。**五十三歳**。

〈**——**貧しかった**、と伝えられる**。〉)

**その後**。

(——**改良が、続いた**。

〈**——**アストラル・ランプ**(油壺を、環状にして、影を作らない)。

**——**カーセル・ランプ**(時計仕掛けのポンプで、油を送る)。

**——**モデレーター・ランプ**(ばねで、油を押し上げる)。〉

**そして、**燃料が、変わった**。

〈**——**鯨油**から、**灯油(ケロシン)**へ**(1850年代から)。

**——**そして、**同じアルガンの原理のランプが、**灯油で、使われた**。

**〈——「ハリケーン・ランプ」。**

**——いまも、キャンプと、停電のときに、使われている。〉**〉

**そして、**ガス灯、そして電灯**。

〈**——**1870年代、**ドイツのカール・アウアー・フォン・ヴェルスバッハ**が、**ガスマントル**を発明した**。

**——**トリウムとセリウムの酸化物で織った網**を、炎の中に置く**。

**——**それが、**白熱して、光る**。

**〈——炎そのものより、**はるかに明るい**。**

**——ガス灯が、**電灯との競争で、しばらく生き延びた**理由である。〉**〉

**——**そして、**アルガンの原理は、**いまも、**バーナーの設計の基本**である**。

〈**——**「空気と、燃料を、よく混ぜる」**。〉)

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