概要
東京生まれの編集者。東京帝大で哲学を学び、左翼の運動に関わったとして検挙された。山本有三の「日本少国民文庫」を編み、自ら『君たちはどう生きるか』を書いた。岩波書店で岩波新書の創刊に関わり、戦後は雑誌『世界』の初代編集長を務めた。
所属
日本関わったできごと(1)
吉野源三郎『君たちはどう生きるか』AD1937年8月 · 作者本文
吉野源三郎は、1899年に東京で生まれた。東京帝国大学で哲学を学び、やがて社会主義の運動に近づいた。1930年代のはじめ、そのことで検挙され、しばらく獄中で過ごしている。
出てきた吉野を迎えたのは作家の山本有三だった。山本は、軍国主義が強まるなかで、子どもたちのために自由で広い見方を残したいと考え、新潮社から少年少女向けの叢書「日本少国民文庫」を出すことにした。吉野はその編集の中心になり、倫理を扱う巻を自分で書いた。それが1937年の『君たちはどう生きるか』である。
同じ年、吉野は岩波書店に入り、翌1938年の岩波新書の創刊に関わった。戦後の1946年には、新しく創刊された総合雑誌『世界』の初代編集長になり、平和と民主主義を論じる場として、長く誌面を率いた。
1981年に82歳で亡くなった。『君たちはどう生きるか』は戦後も版を改めて読み継がれ、2017年の漫画化をきっかけに、出版から80年を経て再び大勢の読者を得た。