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Event / できごと

ムラーノの硝子職人

The glassmakers of Murano
AD1291年
重要度 4
シベリアの諸集団キプチャク汗国Touaregイル汗国リャザン公国マムルーク朝ノヴゴロド公国サーミノルウェー神聖ローマ帝国ハフス朝スウェーデンポーランド王国フランス王国English territoryセルジューク朝マクリアカスティーリャ王国東ローマ帝国カネム=ボルヌハンガリー王国ハドラマウトTeutonic KnightsMerinidesアラゴン王国ブルガール可汗国デンマークAbdelouadidesシチリア王国ポルトガルセルビアリトアニア大公国スコットランドヴェネツィア共和国AD1291年ヴェネツィア
このできごとには、まだ自由に使える図版が見つかっていません。 代わりに、このデータベースが持っているAD1291年の版図を描いています(34勢力)

概要

木造の街で炉を焚くのは危険である、という理由で、ヴェネツィア共和国は硝子の工房をすべてムラーノ島へ移させた。火事の予防は本当の理由の一つでしかない。職人は島から出ることを制限され、技術は国家の機密として扱われた。娘は貴族と結婚でき、身分は高い。しかし国外へ逃げれば追手が向かい、暗殺された者がいると伝えられる。無色透明のクリスタッロ、そして水銀とスズによる平面鏡が、ここで完成した。

場所

ヴェネツィア
45.44°N 12.32°E · イタリア・ヴェネト州

本文

**布告**。

**1291年**。

**ヴェネツィア共和国の大評議会が、**硝子の炉を、すべてムラーノ島へ移すこと**を命じた**。

**理由**——**火事**。

(——**ヴェネツィアの建物は、**木造が多い**。

**そして、**硝子の炉は、千度を超える**。

**昼夜、燃やし続ける**。

〈**実際に、**大火があった**。

**——これは、**本当の理由の一つ**である**。〉

**しかし、それだけではない**。)

**もう一つの理由**。

(——**技術を、**囲い込む**。

**島は、**本島から、約1.5キロ**。

**船でしか、行けない**。

**——**誰が出入りするか、把握できる**。〉)

**扱い**。

**職人(vetrai)は、**特権を与えられた**。

(**(1)**帯剣を許された**。

**(2)**共和国の役人による訴追から、一定の保護があった**。

**(3)そして——**娘が、ヴェネツィア貴族と結婚できた**。

〈**そして、その子は、**貴族として登録された**。

——**これは、**極めて異例である**。

**ヴェネツィアの貴族の身分は、**黄金の書**に登録された家系に限られていた**。〉

**(4)**ムラーノは、**独自の評議会と、独自の貨幣と、独自の黄金の書**を持った**。

——**事実上、**共和国の中の、小さな共和国**である**。〉)

**そして、拘束**。

(——**職人は、**共和国の許可なく、島を離れることができない**。

**技術を、**外へ持ち出すことは、禁じられた**。

**逃げた者は——**

〈**まず、**戻るよう、召喚される**。

**戻らなければ、**家族が投獄される**。

**それでも戻らなければ——**

**共和国の記録に、**追手を送るという趣旨の決定**が残っている**。

**そして、**実際に殺された、という話が、複数、伝えられている**。

——**ただし、**確実に立証された事例は、少ない**。

**「暗殺された」という記述の多くは、**後世の物語**である可能性がある**。

**それでも——**法として、そう定められていた**ことは、記録に残っている**。〉

**——つまり**。

**極めて厚遇される**。

**そして、**逃げられない**。〉)

**技術**。

**(1)クリスタッロ**(cristallo)。

(**15世紀半ば、**アンジェロ・バロヴィエール**が完成させた、とされる**。

**——**無色透明のガラス**である**。

〈**それまでのガラスは、**緑か、褐色を帯びていた**。

**原料の砂に含まれる**鉄**のためである**。

**方法**。

**(1)**極めて純度の高い原料を使う**。

——**シチリアと、レヴァントの、**アシ(サリコルニア)を焼いた灰**(ソーダ)。

**そして、**ティチーノ川の、白い小石**を砕いたもの**。〈石英が多い。〉

**(2)**灰を、水に溶かして、再結晶させて、精製する**。

**(3)そして、**マンガン**を、少量、加える**。

〈**「硝子職人の石鹸」**と呼ばれた**。

——**鉄による緑を、**補色で打ち消す**。

**つまり、**無色にするのではなく、色を相殺している**。〉

**——結果、**水晶(cristallo)のように透明なガラス**ができた**。〉)

**(2)鏡**。

(**それまでの鏡**——**磨いた金属**(青銅、銀、鋼)。

〈**像が、**暗く、歪む**。〉

**あるいは、**凸面の、小さなガラス鏡**(吹いた球の内側に金属を流す)。

〈**ヤン・ファン・エイクの『アルノルフィーニ夫妻』**(1434年)に描かれている、丸い鏡である**。〉

**ムラーノの方法**(16世紀初頭に確立)。

**(1)**平らなガラスの板を作る**。

〈**円筒状に吹き、**切り開いて、平らに延ばす**(シリンダー法)。〉

**(2)**その上に、**スズ箔**を敷く**。

**(3)そこに、**水銀**を流す**。

——**スズと水銀が、**アマルガム**を作り、ガラスに密着する**。

〈**極めて美しい像が得られる**。

**そして——**極めて危険である**。

**水銀の蒸気**。

**——職人の多くが、**震え、歯が抜け、精神を病んだ**。

〈**「帽子屋のように狂う」**という英語の表現は、**フェルト帽の製造で水銀を使ったこと**から来ている**。

**鏡の職人も、同じである**。〉

**この方法は、**19世紀末(銀鏡反応の実用化)まで、使われ続けた**。〉)

**値**。

(——**16〜17世紀、**ヴェネツィアの鏡は、極端に高価だった**。

**一枚の大きな鏡が、**同じ面積の絵画(ラファエロを含む)より高い**、と言われた**。

**そして、**同じ大きさの銀板より高かった**、とも**。

〈**フランスの記録**。

**1660年代、**ある貴婦人が、鏡一枚のために、農地を売った**、という話が伝えられる**。〉)

**流出**。

(——**それでも、**逃げた**。

**(1)**フランスへ**(1665年、コルベールが引き抜いた)。

**(2)**ボヘミアへ**。

〈**そして、ボヘミアは、**別の道**を行った**。

**——**カリガラス**(灰にカリウムを使う)に、**石灰**を加える**。

**硬い**。**そして、**厚く作って、削れる**。

——**カット・グラス**である**。

**17世紀末から、**ボヘミアが、ヴェネツィアを追い抜いた**。〉

**(3)**イギリスへ**。

〈**1674年、**ジョージ・レイヴンズクロフト**が、**鉛ガラス**を作った**。

——**屈折率が高く、**光る**。

**「レッド・クリスタル」**。

**そして——**光学用のレンズにも使われた**。〉)

**衰退**。

(**18世紀、**ムラーノは、既に、最先端ではなくなっていた**。

**1797年、**ナポレオンが、ヴェネツィア共和国を滅ぼした**。

**——**特権が、消えた**。

**そして、**組合が解散し、多くの工房が閉じた**。

〈**19世紀半ば、**復興運動**があった**。

**アントニオ・サルヴィアーティ**らが、**古い技法を再現した**。

**——それが、いまの「ヴェネツィアン・グラス」の直接の祖先である**。〉)

**いま**。

(**ムラーノに、**まだ工房がある**。

**——そして、**苦しんでいる**。

〈**燃料(天然ガス)の価格**。

**2022年、**エネルギー価格の高騰で、**炉を止めた工房が、いくつもあった**。

——**硝子の炉は、**一度止めると、再開に莫大な費用がかかる**。**〈内壁が割れる。〉**

**そして、**中国製の模造品**。

**「ヴェトロ・アルティスティコ・ムラーノ」**という原産地の商標が、作られている**。〉

**職人の数は、**減り続けている**。)

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