概要
カエサルの軍の技師で、アウグストゥスに『建築十書』を献じた。建築は「強・用・美」を備えよ、と。人体の比例を円と正方形に収める記述を、レオナルドが絵にした。
所属
ローマ関わったできごと(1)
ウィトルウィウス『建築十書』BC25年頃 · 著者本文
生まれた年も場所も、確かではない。 ファーノとも、ヴェローナとも。 名前もマルクス・ウィトルウィウス・ポッリオが確かか、 「ポッリオ」は別人の名が混じったのか、分からない。
自分で書いていることだけ。 カエサルの下で、投石機と弩砲を作った。 アウグストゥスの下で、同じ仕事を続けた。 オクタウィアがアウグストゥスに推薦してくれて、年金を得た。 「私は背が低く、老いて醜く、病弱だ」。 「だから名声ではなく、この本で残りたい」。
ファヌムにバシリカを建てた。 第5巻に自分で設計を書いた。 ローマの水道について、第8巻。 鉛管は有害だと書いた。 「鉛の工場で働く者の顔色を見よ」。 その通りで、19世紀まで誰も気にしなかった。
第1巻。 建築家は文章が書け、絵が描け、 幾何、歴史、哲学、音楽、医学、法律、天文を知るべきだ。 音楽は投石機の弦の張りを耳で確かめるため。 医学は土地の健康を判断するため。
10巻は、アウグストゥスが多くの建物を建てると聞いて、 献じた。 BC30年からBC20年の間。 実際にアウグストゥスがこれを読んだか、分からない。 アウグストゥス時代の建築家が、この本を使った形跡はない。 ギリシアの神殿の理論書で、 ローマの新しいコンクリートとアーチのことは、ほとんど書いていない。
同時代には、ほとんど引用されなかった。 大プリニウスが引いた。 中世に写本が写され続け、 1414年、再発見。 1486年、印刷。 以後、建築の書と言えば、これになった。 自分のために建てた建物は一つもなく、 理論の本だけで、2000年残った。