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Event / できごと

発酵は生き物の仕事である

Fermentation is the work of living things
AD1857年
重要度 5
ロシア帝国大英帝国デンマークオスマン帝国ペルシアポルトガル帝国スウェーデン=ノルウェースペイン帝国オーストリア帝国エジプトスペインフランスNejdモロッコAlgiersグレートブリテン及びアイルランド連合王国プロイセン両シチリア王国バイエルンTunisサルデーニャ王国TripolitaniaハノーファーCyrenaicaAD1857年リール
このできごとには、まだ自由に使える図版が見つかっていません。 代わりに、このデータベースが持っているAD1857年の版図を描いています(24勢力)

概要

当時の化学の主流は、発酵を純粋な化学反応と見ていた。糖が勝手に分解する、と。リールの砂糖大根から酒精を作る工場が、なぜか腐敗すると相談を持ち込んだ。パストゥールは顕微鏡で、正常な樽には丸い酵母が、傷んだ樽には棒状の別の微生物がいることを見た。発酵は生き物の営みであり、混入する別の生き物が腐敗を起こす。加熱で殺せば止まる。ここから低温殺菌が生まれ、病気は微生物が起こすという考えに、道が続いた。

場所

リール
50.63°N 3.06°E · フランス

関わった人(1)

ルイ・パスツールAD1822年12月27日–AD1895年9月28日 · 示した

本文

**当時の説**。

(——**発酵とは、何か**。

**主流の見方**(**ユストゥス・フォン・リービッヒ**ら)。

〈**——**純粋な、化学の反応である**。

**——**糖が、**不安定な物質と接触して、**分解する**。

**そして、**酵母は、**その過程で生じる、副産物**にすぎない**。

**〈あるいは、**死んで崩れかけた有機物**が、**その分解を、伝播させる**。〉**

**——**リービッヒは、**当代最高の化学者の一人**である**。

**そして、**この見方が、**化学の主流だった**。〉

**反対の見方**。

〈**——**カニャール=ラトゥール**(1836年)、**シュヴァン**(1837年)。

**——**顕微鏡で、**酵母が、生きた、増殖する生物である**ことを、示した**。

**——**そして、**嘲笑された**。

**〈——リービッヒとヴェーラーが、**匿名で、風刺文を書いた**。**

**——「顕微鏡で見ると、**酵母は、蒸留器の形をした小さな動物であり、**

**糖を食べて、**尻から二酸化炭素を、膀胱から酒精を、出している**」。**

**——嘲笑である。〉**〉)

**リール**。

**1856年**。

(——**ルイ・パストゥール**(当時33歳)は、**リール大学理学部の、学部長**である**。

〈**——**新設の学部**である**。

**そして、**「地域の産業に、役立つ研究をせよ」**という方針が、**明確にあった**。〉

**そして、**ある学生の父親**が、**相談に来た**。

〈**——**ムッシュー・ビゴ**。**砂糖大根から、**アルコールを作る工場**を、経営していた**。

**問題——**発酵が、**しばしば、失敗する**。

**——**アルコールではなく、**酸っぱい、粘る液体**になる**。

**——**そして、**なぜそうなるのか、分からない**。〉

**——**パストゥールは、**工場へ、行った**。

**そして、**両方の樽から、**液を、採ってきた**。〉)

**顕微鏡**。

(——**見た**。

〈**(1)**正常に発酵した樽**。

**——**丸い、あるいは楕円の、酵母**が、**大量にいる**。

**そして、**芽を出して、増えている**。

**(2)**失敗した樽**。

**——**酵母が、少ない**。

**そして、**代わりに、**もっと小さい、**棒状のもの**が、**大量にいる**。

**〈——後に、**乳酸菌**と、分かる。〉**〉

**——**そして、**彼は、こう考えた**。

〈**——**発酵は、**生き物の営みである**。

**そして、**どの生き物が増えるかによって、**できるものが、違う**。

**——**酵母が増えれば、**アルコール**。

**——**別の菌が増えれば、**乳酸**。**あるいは、**酪酸**(——腐った臭い)。〉

**1857年、**論文**。

**『乳酸発酵についての覚書』**。

**そして、**1860年、『酒精発酵についての覚書』**。〉)

**酸素**。

(——**さらに、彼は、**別のことを、見つけた**。

〈**——**酵母は、**空気があると、**よく増える**が、**アルコールを、あまり作らない**。

**——**空気が無いと、**増えにくい**が、**アルコールを、作る**。

**——**「発酵とは、**空気の無いところでの、生命である**」**(要旨)。

**〈la vie sans air。〉**

**——**後に、**「パストゥール効果」**と呼ばれる**。〉)

**自然発生説**。

(——**そして、これが、**次の問題になった**。

〈**——**「では、その微生物は、**どこから来るのか**」**。

**当時の説——**自然発生**(generatio spontanea)。

**——**「腐りかけた有機物から、**自然に、生じる」**。

**〈——**フェリックス・プーシェ**が、**実験で、それを示したと主張していた**。〉**〉

**1861年、**白鳥の首フラスコ**。

〈**——**フラスコの首を、**細く、S字に曲げる**。

**そして、**中の液を、煮沸する**。

**——**空気は、**自由に、出入りできる**。

**——**しかし、**塵と微生物は、**曲がった部分の底に、**落ちて、溜まる**。

**——**結果**。

**〈——**何年、置いても、**腐らない**。**

**——そして、**フラスコを傾けて、**首に溜まった塵を、液に触れさせる**と、**

**——数日で、**腐る**。〉**

**——**決定的である**。

**〈——パストゥール自身が作ったフラスコのいくつかが、**パスツール研究所に、いまも、残っている**。**

**——中の液は、**160年、澄んだままである**。〉**〉

**そして、彼は、こう言った**。

〈**——**「自然発生説は、**この単純な実験の一撃から、**二度と、立ち直ることはないだろう」**(要旨、1864年のソルボンヌでの講演)。〉)

**低温殺菌**。

(**1864年**。

〈**——**ワインの、腐敗の問題**。

**——**ナポレオン3世が、**フランスのワイン産業のために、**パストゥールに、調査を依頼した**、とされる**。

**——**答え**。

**「ワインを、**55度から60度に、短時間、加熱すればよい」**。

**——**風味を損なわずに、**腐敗を起こす菌を、殺せる**。

**〈——沸騰させると、味が、変わってしまう。**

**——「ちょうど、殺せて、風味が残る温度」を、見つけた。〉**

**——**「パストゥリザシオン」**(pasteurisation)。

**そして、**後に、**牛乳に、応用された**。

**〈——結核菌、ブルセラ菌、そして腸チフス菌。**

**——牛乳による感染が、劇的に減った。**

**アメリカで、**1908年、シカゴが、**都市として最初に、義務づけた**。〉**〉)

**そして、病気へ**。

(——**論理の道筋**。

〈**(1)**発酵と腐敗は、**微生物が、起こす**。

**(2)**微生物は、**外から来る**。

**(3)**では——**病気も、そうではないか**。

**——**「病原菌説」**(germ theory)。〉

**そして**。

〈**——**1865年、**蚕の病気**(微粒子病)。

**——**フランスの養蚕業が、**壊滅しかけていた**。

**——**パストゥールが、**五年かけて、原因の微生物を特定し、**選別の方法を示した**。

**〈——この期間に、**父と、二人の娘を、亡くしている**。**

**——娘のうち二人は、腸チフスである。**

**〈——彼の五人の子のうち、三人が、幼くして病死した。**

**——彼が、感染症の研究に、生涯を賭けた背景として、しばしば語られる。〉〉**

**1877年から、**炭疽**。

**1879年、**鶏コレラ**——**弱毒化したワクチン**。

**〈——偶然である。**

**——休暇で放置した培養液が、弱くなっていた。**

**それを接種した鶏が、死ななかった。**

**そして、その鶏が、強い菌にも、耐えた。**

**——「観察の場において、偶然は、備えある心のみに味方する」。〉**

**1885年、**狂犬病のワクチン**。

**——**ジョゼフ・マイステル**(9歳)。〉

**そして、**ジョゼフ・リスター**が、**この考えを、**外科の消毒**に、応用した**。

〈**——**手術の死亡率が、**劇的に、下がった**。〉)

**そして**。

(——**一つの、砂糖大根の工場の相談**から、始まった**。

**——**「なぜ、この樽は、腐るのか」**。

**そして、**その答えが、**微生物学と、免疫学と、そして近代の医学**に、続いた**。)

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