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Event / できごと

糸車

The spinning wheel
AD1200年頃
重要度 4
古シベリアの狩猟採集民バントゥー系の人びと西遼(カラ・キタイ)西アフリカの穀作農民クマン(キプチャク)金(女真)アイユーブ朝チベットキエフ・ルーシブワイフ朝モンゴル帝国ファーティマ朝ラージプートの諸王国ツングースの諸部族ガズナ朝デリー・スルタン朝西夏そのほかのルーシ諸公国イファト王国ヴォルガ・ブルガールマレー系の人びとマクリアルーム・セルジューク朝クメール帝国チョーラ朝南詔シュリーヴィジャヤKwarizm-Shah南詔と大理Harapunchaiパガン朝パガン朝アルワイスラムの都市国家群ブワイフ朝ハドラマウトイエメンアルメニア大越大越ヒンドゥーと仏教の小国群Kamarupaピュー(驃)の諸都市ネパールモンの諸国チャンパブータンマスカットジョージアAD1200年頃デリー
このできごとには、まだ自由に使える図版が見つかっていません。 代わりに、このデータベースが持っているAD1200年頃の版図を描いています(50勢力)

概要

繊維を引き出しながら撚りをかけ、巻き取る。手回しの錘だけでやると、極端に遅い。人類が費やしてきた労働時間のうち、糸を紡ぐことに使われた分は膨大で、そのほとんどを女性が担った。車輪で錘を回す装置が、中国とインドで先に現れ、13世紀にヨーロッパへ届く。生産量が数倍になった。同じ道具が、二十世紀にガンディーの手の中で、独立運動の象徴になる。インドの国旗の中央にある輪は、もとはこの車である。

場所

デリー
28.61°N 77.21°E · インド

本文

**作業**。

**紡ぐ**。

(——**繊維の塊から、**少しずつ引き出しながら、**撚りをかけ、**巻き取る**。

〈**——**撚り**が、なぜ要るか**。

**——**繊維は、**短い**。

**〈綿で、2〜3センチ。羊毛で、5〜15センチ。〉**

**——**そのままでは、**引けば、抜ける**。

**撚ると、**繊維同士が、締めつけ合う**。

**——**そして、**摩擦で、抜けなくなる**。〉)

**手紡ぎ**。

(——**紡錘**(spindle)**と、**紡輪**(whorl)。

〈**——**棒に、**円盤の錘**を付けたもの**。

**——**それを、**指で回して、垂らす**。

**そして、**繊維を、少しずつ、送り出す**。

**——**新石器時代から、**世界中にある**。

**〈紡輪は、**遺跡から、大量に出土する**。

**——最も、ありふれた出土品の一つである。〉**〉

**速さ**。

〈**——**熟練者で、**一日に、数百メートルから、千メートル程度**。

**——**そして、**織るには、**その何倍もの糸が要る**。〉)

**規模**。

(——**布一枚を作るのに、**どれだけの時間がかかるか**。

〈**——**推定の例**。

**中世ヨーロッパで、**一人分の衣服のための布**を作るのに、

**——**紡ぐのに、**数百時間**。

**——**織るのに、**その数分の一**。

**——**つまり、**紡ぐほうが、圧倒的に、時間がかかる**。〉

**——**そして、**それを、女性が、やった**。

〈**——**「片手間に」**である**。

**子どもを見ながら。**料理をしながら。**歩きながら**。

**——**紡錘は、**持ち運べる**。

**〈だから、**あらゆる時間の隙間**に、紡いだ。〉**

**そして、**英語の spinster**。

**——**もともと、**「紡ぐ女」**である**。

**〈そして、**未婚の女性**を指す語になった。**

**——独身の女性が、**現金を得られる、数少ない仕事**だったからである。**

**そして、**「女系」を意味する distaff side**。**

**——distaff は、**紡ぐときに繊維を巻きつけておく棒**である。〉**〉)

**車輪**。

(——**錘を、**車輪で、回す**。

〈**——**大きな車輪を、手で回す**。

**——**紐で、**小さな錘に、伝わる**。

**——**回転が、**速くなる**。

**〈——直径の比だけ、増速される。〉**〉

**起源**。

〈**——**確定していない**。

**候補——**中国**、あるいは**インド**。

**中国**——**11世紀の絵画**に、それらしいものが描かれている**。

**〈王居正『紡車図』(北宋)。**

**——ただし、これは、**糸を撚り合わせる装置**であって、紡ぐ装置ではない、という見方もある。〉**

**インド**——**「チャルカー」**(charkha)。

**〈——サンスクリット語の cakra(輪)から。**

**11世紀から13世紀の文献に、言及がある。〉**

**——**綿**を紡ぐのに、**特に、適している**。

**そして、**インドは、**当時、世界最大の綿布の産地**である**。〉

**ヨーロッパへ**。

〈**——**13世紀**。

**——**イスラーム世界を経由した、と考えられている**。

**〈——最初の確実な記録は、**1298年のシュパイアーの織物工の規約**である。**

**「車で紡いだ糸は、**縦糸に使ってはならない**」。**

**——弱いからである。〉**

**——**当初、**手紡ぎより、糸が弱かった**。

**そして、**改良された**。〉

**サクソニー・ホイール**(16世紀)。

〈**——**足踏み**で、車輪を回す**。

**——**両手が、自由になる**。

**そして、**フライヤー**(U字形の枠)で、**撚りをかけながら、同時に、巻き取る**。

**〈——それまでは、**撚る**と**巻く**を、交互にやっていた。**

**——連続的になった。**

**生産量が、さらに、数倍。〉**〉)

**そして、機械へ**。

(——**18世紀のイギリス**。

〈**——**織る側が、先に、速くなった**。

**ジョン・ケイの**飛び杼**(1733年)。

**——**織工が、一人で、幅の広い布を織れる**。

**——**すると、**糸が、足りなくなった**。

**〈「糸飢饉」。〉**

**そして、**紡ぐ側の機械化**が、始まった**。

**ハーグリーヴズの**ジェニー紡績機**(1764年頃)——**一人で、複数の錘を回す**。

**アークライトの**水力紡績機**(1769年)——**水車で回す。強い糸ができる**。

**クロンプトンの**ミュール**(1779年)——**両者の長所を、合わせた**。

**——**そして、**工場**である**。

**〈家の中の仕事が、**建物の中の仕事**になった。**

**そして、**女性と子どもが、そこへ、通うようになった**。〉**〉)

**そして、戻る**。

(——**1920年代、インド**。

**ガンディー**が、**チャルカーを、運動の中心に据えた**。

〈**——**理由**。

**(1)**イギリスの機械織りの布**を、買わない**。

**〈——インドの綿花が、イギリスへ送られ、**

**そこで布になって、インドへ売り返される。**

**——インドの手織り産業が、それで潰れた。〉**

**(2)**誰でも、できる**。

**——**そして、**村に、現金の収入をもたらす**。

**(3)そして、**自分の手で作る**ということ**。

**——**「スワデーシー」**(自国のもの)。

**——**ガンディー自身が、**毎日、決まった時間、紡いだ**。

**〈——獄中でも。**

**そして、会議の間も、紡いでいた。〉**

**——**そして、**国民会議派の党員に、**一定量の糸を納めること**を、義務づけた時期がある**。〉

**旗**。

〈**——**1921年の、国民会議派の旗**の中央に、**チャルカーが、描かれた**。

**そして、**1947年、独立**。

**——**国旗を決めるとき、**チャルカーは、**アショーカ王の法輪**に、置き換えられた**。

**〈——「特定の党の象徴を、国旗にはできない」。**

**そして、「二十四本の輻を持つ輪」は、**チャルカーの抽象化**でもある、と説明された。〉**

**——**いまも、**インドの国旗の中央に、輪がある**。〉)

**そして**。

(——**人類が、**最も多くの時間を費やしてきた作業の一つ**が、**紡ぐことである**。

**そして、**その記録は、**ほとんど残っていない**。

〈**——**書いた人が、**それを、書くに値することとして、扱わなかった**からである**。

**——**日常の、女の仕事である**。〉

**——**残っているのは、**土から出る、無数の紡輪**である**。)

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