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Event / できごと

醤油

Soy sauce
AD1600年頃
重要度 4
ロシア帝国中央アジアの諸ハン国スペイン帝国ムガル帝国チベットイスラムとヒンドゥーの諸国アユタヤ朝Koryaks日本シャン諸邦大越朝鮮王朝Itelmen大越ビルマの諸王国カンボジアラオスLan NaアイヌモシリPeguAD1600年頃湯浅
このできごとには、まだ自由に使える図版が見つかっていません。 代わりに、このデータベースが持っているAD1600年頃の版図を描いています(21勢力)

概要

大豆と小麦に麹菌を生やし、塩水に仕込み、半年から数年寝かせる。菌の酵素がタンパク質をアミノ酸に、澱粉を糖に分解する。中国の醤が原型で、鎌倉期に紀州湯浅で径山寺味噌を作る際、樽の底に溜まる液が使われるようになったと伝えられる。江戸期に湯浅、野田、銚子で量産され、関東の濃口が江戸の味を決めた。オランダ東インド会社が樽で輸出し、ヨーロッパの宮廷の食卓にも上っている。

場所

湯浅
34.03°N 135.18°E · 日本・和歌山県

本文

**原理**。

(——**大豆と、小麦**。

**(1)**蒸した大豆と、炒って砕いた小麦を、混ぜる**。

**(2)そこに、**麹菌**(*Aspergillus oryzae*、ニホンコウジカビ)**を、生やす**。

〈**——**三日ほど**。

**——**麹菌が、**大量の酵素**を、外に出す**。

**〈プロテアーゼ(タンパク質を分解)。**

**アミラーゼ(澱粉を分解)。〉**〉

**(3)**それを、**塩水に、仕込む**(——**諸味**、もろみ)。

〈**——**塩分、約16〜18%**。

**——**この濃度で、**雑菌は、育たない**。

**そして、**耐塩性の乳酸菌と酵母**だけが、育つ**。〉

**(4)**半年から、数年、置く**。

〈**——**麹菌の酵素が、**タンパク質を、アミノ酸に**。**澱粉を、糖に**。

**——**乳酸菌が、**糖から、乳酸を**。

**——**酵母が、**アルコールと、香りの成分を**。

**〈——**三百種類以上の香気成分**が、同定されている。〉**〉

**(5)**そして、**布に包んで、圧搾する**。

**(6)**火入れ**(加熱)——**酵素を止め、色と香りを作る**。〉)

**系譜**。

(——**中国の**醤**(ジャン)。

〈**——**周礼**に、既に、**「醤」の記述がある**。

**——**もともと、**肉と魚の塩漬け**(醢、ししびしお)である**。

**そして、**大豆を使うもの**が、次第に、主流になった**。

**〈——豆醤、豆豉。**

**そして、**液体を分けて使う**ようになった。〉**〉

**日本へ**。

〈**——**大宝令**(701年)に、**「醤院」**という役所がある**。

**——**「醤」「未醤」(みそ)**の語が、記録にある**。

**そして、**平安期の『延喜式』**にも**。〉)

**湯浅**。

(——**伝承**。

〈**——**1254年頃、**禅僧・覚心**(法燈国師)が、**宋から帰り、**紀州、由良の興国寺**に入った**。

**そして、**径山寺味噌**(きんざんじみそ)の作り方を、伝えた**。

**〈——大豆と、麦と、瓜、茄子、生姜、紫蘇を、漬け込んだ、**なめ味噌**である。〉**

**——**その仕込みの樽の底に、**液が、溜まる**。

**そして、**それが、**旨い**。

**——**それを、**分けて使うようになった**。

**——**それが、醤油の始まりである、と伝えられる**。〉

〈**——**この伝承の、**史料的な裏づけは、強くない**。

**そして、**「たまり」の類は、**それ以前から、各地にあった**と考えられている**。

**——**それでも、**湯浅が、醤油の産地として、早くから知られていた**ことは、確かである**。

**〈——室町期の文献に、**「湯浅の醤油」**が出てくる。〉**〉

**——**湯浅は、**紀伊水道に面した、港町**である**。

〈**——**良い水**。**塩**。**そして、**船で運べる**。〉)

**江戸へ**。

(——**当初、**関西の醤油**(薄口、たまり)が、**上方から江戸へ運ばれた**。

〈**——**「下り醤油」**。〉

**そして、**関東で、作られるようになった**。

〈**野田**(下総)と、**銚子**(下総)。

**——**理由**。

**(1)**利根川と江戸川**。

**〈——江戸へ、**船で、直接、運べる**。〉**

**(2)**原料**。

**〈——常陸と下総の大豆。**

**そして、**行徳の塩**。〉**

**(3)そして、**気候**。

**〈——関東の、**温暖で、湿った夏**が、**発酵に、向いている**。〉**〉

**そして、**濃口**。

〈**——**関東で作られたものは、**小麦を、大豆と同量、使う**。

**——**色が、濃く、**香りが、強い**。

**〈——関西の**薄口**は、**塩分がやや高く、色が淡い**。**

**——素材の色を、生かす。〉**

**——**そして、**江戸の食が、**濃口を前提に、できた**。

**〈——蕎麦、天ぷら、鰻の蒲焼、そして、握り寿司。**

**——いずれも、**濃口の醤油が、無ければ、成立しない**。〉**

**——**18世紀後半には、**江戸で消費される醤油の大半が、関東産**になった**。〉)

**輸出**。

(——**オランダ東インド会社**。

〈**——**17世紀後半から、**長崎の出島から、樽で、積み出した**。

**——**バタヴィア(ジャカルタ)**、そして**ヨーロッパへ**。

**〈記録に残る量**——**ある年に、**数百樽**。〉**

**——**そして、**ヨーロッパの宮廷の食卓**に、上った**。

**〈——ルイ14世の宮廷で、**珍味として、使われた**、という記述がある。**

**——確証は、限定的である。〉**

**そして、**壺に入れて、**密封して運んだ**。

**〈——輸出用に、**コンプラ瓶**(コンプラドール瓶)という、**

**灰色の陶器の瓶**が、作られた。**

**——「JAPANSCH ZOYA」(日本の醤油)と、オランダ語で書かれている。**

**そして、それが、いまも、収集の対象になっている。〉**〉

**——**そして、**「soy」という英語**。

〈**——**日本語の「醤油」**が、**オランダ語を経て、**入った**。

**——**そして、**大豆そのものを、**「soybean」**と、呼ぶようになった**。

**〈——順序が、逆である。**

**豆の名が先ではなく、**調味料の名が、先に伝わった**。〉**〉)

**そして、いま**。

(——**キッコーマン**(野田)、**ヤマサ**(銚子)。

**そして、**世界で、作られている**。

〈**——**1973年、**キッコーマンが、**アメリカ、ウィスコンシン州に、工場を建てた**。

**——**日本の食品会社の、**アメリカでの、本格的な現地生産の、初期の例である**。〉

**——**そして、**湯浅**。

〈**——**いまも、**木桶で、伝統的な製法で作る蔵**が、数軒、残っている**。

**そして、**「醤油発祥の地」**として、**重要伝統的建造物群保存地区**に選ばれている**。〉)

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