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Event / できごと

コラ半島超深度掘削坑

The Kola Superdeep Borehole
AD1989年
重要度 3
ソビエト連邦スウェーデンノルウェーフランスフィンランド大英帝国ポーランドイタリアWest GermanyイギリスYugoslaviaルーマニアCzechoslovakiaEast GermanyブルガリアハンガリーオーストリアアイルランドAD1989年コラ半島(位置は特定されていない)
このできごとには、まだ自由に使える図版が見つかっていません。 代わりに、このデータベースが持っているAD1989年の版図を描いています(18勢力)

概要

ソ連が、地殻の底まで掘ることを目指した。1970年に開始し、1989年に12,262メートルに達する。人が開けた最も深い穴である。それでも地殻を抜けていない。得られたもの。予想より深くまで水があった。花崗岩と玄武岩の境と思われていた層は、境ではなく圧力による変質だった。深さ六千メートルの岩から、二十億年前の微化石が出た。温度が想定より高く、二百度近い泥の中では掘進できず、そこで止まった。

場所

コラ半島位置は特定されていない(誤差 ±km)
69.40°N 30.61°E · ロシア・ムルマンスク州

本文

**問い**。

**地面の下は、**どうなっているか**。

(——**分かっていること**。

〈**——**地震波**から、**内部の構造が、推定されている**。

**地殻**(大陸で、平均約35キロ)、**マントル**、**外核**、**内核**。

**そして、**モホロビチッチ不連続面**(モホ面)——**地殻とマントルの境**。

**——**地震波の速度が、**そこで、急に変わる**。〉

**——**しかし、**誰も、見ていない**。

〈**——**人が手にした最も深い場所の岩は、**南アフリカの金鉱**(約4キロ)である**。

**そして、**火山が、**深いところの岩を、運び上げることがある**。

**——**それだけである**。〉)

**モホール計画**。

(——**アメリカが、先に、やろうとした**。

**1958年から1966年**。

〈**——**海の底なら、**地殻が、薄い**。

**〈大陸で35キロ。海洋で、5〜10キロ。〉**

**——**だから、**船から、海底を掘る**。

**1961年、**メキシコ沖で、**水深3,558メートルの海底から、183メートル、掘った**。

**——**そして、**予算が、膨らんだ**。

**1966年、**議会が、打ち切った**。〉

**——**ただし、**この計画から、**深海掘削の技術**が、生まれた**。

**〈——後の、深海掘削計画(DSDP、ODP、IODP)。**

**そして、それが、**プレートテクトニクスの、決定的な証拠**を、出した。〉**〉)

**ソ連**。

**1970年5月24日、開始**。

(——**場所——**コラ半島**(北極圏、ノルウェー国境の近く)。

**——**そこは、**バルト楯状地**である**。

〈**——**極めて古い岩**(30億年近く)が、**地表に出ている**。

**そして、**地層が、水平に近い**。

**——**掘りやすい、と考えられた**。〉

**目標——**15,000メートル**。〉)

**方法**。

(——**通常の掘削と、**違う**。

〈**——**普通は、**櫓の上のモーターが、**掘削管全体を、回す**。

**——**深くなると、**管が、ねじれて、切れる**。

**〈12キロの鋼管を、上から回すことは、できない。〉**

**コラでは——**タービン式**。

**——**掘削泥水を、**管の中に、送り込む**。

**そして、**先端に付けたタービン**が、それで回る**。

**——**管そのものは、**回らない**。〉

**そして、**掘削管は、**軽合金**である**。

〈**——**鋼では、**自重で、切れる**。〉)

**進み方**。

(**1979年——**9,583メートル**。

〈**——**それまでの世界記録(アメリカ、オクラホマの井戸)を、抜いた**。〉

**1983年——**12,000メートル**。

〈**——**そして、ここで、**一年、休んだ**。

**〈見学者と、報道のため。〉**

**——**そして、**再開したときに、**掘削管が、5キロ地点で、切れた**。

**——**回収できなかった**。

**そのため、**7,000メートル地点から、**新しく、枝を掘り直した**。

**——**それに、**五年、かかった**。〉

**1989年——**12,262メートル**。

**——**ここで、**止まった**。〉)

**なぜ、止まったか**。

(——**温度**である**。

〈**——**予想では、**12キロで、100度**。

**——**実際には、**約180度**。

**そして、**その温度では、**掘削泥水の性質が、変わる**。

**——**岩が、**「粘る」**ようになる**。

**〈——高温高圧で、**岩が、塑性的に振る舞う**。**

**掘った穴が、**ゆっくり、閉じてくる**。**

**——ドリルビットが、動かなくなる。〉**

**そして、**機材が、その温度に、耐えない**。〉

**——**1992年、**掘削を、中止**。

**1995年、**計画そのものが、終了した**。

〈**——**ソ連が、無くなった**。

**そして、**金が、無い**。〉

**2008年、**施設が、閉鎖された**。

〈**——**いまは、**溶接された、直径23センチの蓋**が、**地面に、あるだけである**。〉)

**分かったこと**。

(**(1)**「花崗岩層と玄武岩層の境」は、無かった**。

〈**——**地震波の速度が、**約7キロの深さで、変わる**。

**——**そこで、**岩の種類が、変わる**と、考えられていた**。

**——**掘ってみたら、**同じ種類の岩(変成した花崗岩質)だった**。

**——**速度が変わっていたのは、**圧力による、微細な割れ目の変化**である**。

**〈——地震波の解釈が、**根本から、見直された**。〉**〉

**(2)**水が、あった**。

〈**——**深さ12キロに、**水が、流れていた**。

**——**それまで、**そんな深さに、自由な水は無い**、と考えられていた**。

**——**岩の中の鉱物から、**高圧で絞り出された水**が、**割れ目に、閉じ込められていた**。

**——**そして、**その水は、上へ抜けられない**(上の層が、不透水)。〉

**(3)**微化石**。

〈**——**深さ約6キロの岩から、**微小な化石**が、**24種類、見つかった**。

**——**約20億年前の、単細胞の海洋生物**である**。

**〈——そんな深さと、そんな圧力と熱を経た岩に、**構造が残っていた**。〉**〉

**(4)**温度が、想定より、高かった**。

〈**——**地球の熱の流れの、モデルの見直しに、つながった**。〉

**(5)そして、**ガス**。

〈**——**掘削泥水に、**水素が、大量に混じって、噴き出した**。

**——**「泥が、沸騰しているように見えた」**、と記録されている**。〉)

**その後の記録**。

(——**「垂直の深さ」では、**コラが、いまも、最も深い**。

**——**「掘削の全長」では、**抜かれた**。

〈**2008年、**カタール、アル・シャヒーン油田**——**12,289メートル**。

**2011年、**ロシア、サハリンのオドプト**——**12,345メートル**。

**——**ただし、**これらは、**斜めに掘っている**。

**〈——垂直の深さは、数キロである。**

**目的が、違う。**

**——石油を、横に長く取るためである。〉**〉)

**そして**。

(——**12キロ**。

**地球の半径は、**6,371キロ**である**。

〈**——**0.2%**である**。

**——**地球をリンゴに例えれば、**皮に、爪を立てた程度**にも、届いていない**。〉

**——**そして、**そこで、止まった**。

**〈熱と、圧力と、そして、金。〉**

**——**われわれは、**月に人を送り、**火星に探査機を降ろした**。

**そして、**自分の足元の、**12キロより下を、見たことがない**。)

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