← 地図で見る
Event / できごと

蹄鉄

The horseshoe
AD900年頃
重要度 3
カリフ国(正統・ウマイヤ・アッバース)フィン・ウゴル系タイガの狩猟採集民トゥアレグハザールキエフ・ルーシベドウィンベルベル系の人びとサーミキエフ・ルーシ東ローマ帝国スラヴの諸部族アグラブ朝後ウマイヤ朝東フランク王国イドリース朝カロリング朝フランク王国西フランク王国ヴォルガ・ブルガールノルウェー王国第一次ブルガリア帝国アヴァールMagyarsバルトの諸部族Swedes and Gothsクロアチア王国デーン人IrlandaMercia大モラヴィア国アストゥリアス王国セルビアChudsPechenegsLombard duchiesAD900年頃アーヘン
このできごとには、まだ自由に使える図版が見つかっていません。 代わりに、このデータベースが持っているAD900年頃の版図を描いています(34勢力)

概要

蹄は角質で、伸びるが、擦り減る。乾いた草原では保つ。湿った土と石畳では、擦り切れて歩けなくなる。ローマ人は縄と革の沓を履かせていた。鉄の板を蹄に釘で打ちつける方法は、中世初期の北ヨーロッパに現れる。釘は蹄の外側の、神経の通わない部分に打つ。馬が重い荷を引き、硬い道を長く歩けるようになった。同時に、鍛冶屋が村に不可欠になり、装蹄という職業が生まれた。

場所

アーヘン
50.78°N 6.08°E · ドイツ

本文

**蹄**。

(——**馬の蹄は、**角質**である**。

〈**——**人の爪と、同じ成分**(ケラチン)。

**そして、**伸びる**。**——**一か月に、**約6〜10ミリ**。

**そして、**擦り減る**。〉

**——**乾いた草原では、**釣り合う**。

〈**——**伸びる速さと、**減る速さが、**だいたい、同じ**。

**——**モンゴルの馬は、**いまも、多くが、裸足である**。〉

**——**しかし**。

〈**(1)**湿った土地**では、**蹄が、**柔らかくなる**。

**——**そして、**速く、減る**。

**そして、**割れる**。

**(2)**石畳と、硬い道**では、**さらに、減る**。

**(3)そして、**重い荷を引かせる**と、**蹄への負担が、増える**。〉

**——**蹄が、**使えなくなると、**馬は、歩けない**。

〈**——**「No hoof, no horse」**(蹄が無ければ、馬は無い)。〉)

**それまで**。

(——**ローマ人**。

〈**——**ヒッポサンダル**(hipposandal)。

**——**鉄の、**沓**である**。

**——**蹄に、**紐と革で、括りつける**。

**〈——遺物が、多数、出土している。〉**

**——**問題**。

**〈(a)**外れる**。**

**(b)**そして、**歩き方が、変わる**。**

**(c)さらに、**装着に、時間がかかる**。〉**

**——**恒久的なものではなく、**傷んだ蹄の、応急の保護**として使われた、と考えられている**。〉

**そして、**中国、朝鮮、日本**。

〈**——**藁沓**(わらぐつ)。

**——**藁を編んだものを、**蹄に、履かせる**。

**——**日本では、**明治まで、これが、主流だった**。

**〈——江戸の街道の、宿場に、**馬の草鞋が、売られていた**。**

**——擦り切れたら、履き替える。〉**〉)

**釘で、打つ**。

(——**いつ、始まったか**。

〈**——**確定していない**。

**——**ケルト人が、既にやっていた**、という説がある**(19世紀の主張)。

**——**そして、**その根拠とされた遺物の年代が、**後に、疑われた**。

**確実な証拠**。

〈**——**9世紀から10世紀**の、**シベリアと東ヨーロッパの墓**から、**釘穴のある蹄鉄**が出ている**。

**そして、**文献では、**10世紀末のビザンツの文献**(『タクティカ』)に、**「三日月形の鉄」**への言及がある**。

**——**そして、**11世紀のヨーロッパで、**広く使われるようになった**。〉

**〈——バイユーのタペストリー(1070年代)に、**蹄鉄を持った人物**が、描かれている、という指摘がある。**

**——解釈には、議論がある。〉**〉)

**どうやって、打つか**。

(——**ここが、**この技術の、核心である**。

〈**——**蹄の、**外側の壁**(hoof wall)は、**神経も血管も、通っていない**。

**——**人の爪の、**先の部分**と、同じである**。

**——**そこに、**釘を、打つ**。

**そして、**釘を、**斜め外向き**に打って、**外側に、抜けさせる**。

**——**折り曲げて、**留める**。

**〈——内側に打てば、**肉に、刺さる**。**

**——「釘傷」。**

**そして、それは、**跛行**と、**感染**を、起こす。〉**

**——**つまり、**極めて、技能を要する**。〉

**そして、**蹄が伸びるので、**四週から八週ごとに、**外して、蹄を削って、打ち直す**。〉)

**装蹄師**。

(——**専門の職業になった**。

〈**——**英語で、**farrier**。

**〈——ラテン語の ferrum(鉄)から。〉**

**——**そして、**鍛冶屋**(blacksmith)**とは、**次第に、区別されるようになった**。

**〈——鍛冶屋は、**鉄を打つ**。**

**装蹄師は、**蹄を診て、削り、そして、打つ**。**

**——後者には、**馬の脚の解剖と、歩様の知識**が要る。〉**

**そして——**中世を通じて、**装蹄師が、事実上の獣医**だった**。

**〈——「馬医者」。**

**——そして、その知識は、**体系だっていなかった**。**

**——だから、18世紀に、**獣医学校**が作られた。〉**〉)

**効果**。

(**(1)**馬が、**硬い道を、長く歩ける**。

〈**——**軍隊の、行軍**。

**——**そして、**荷馬車**。〉

**(2)**重い荷を、引ける**。

〈**——**蹄が、**踏ん張れる**。

**そして、**滑らない**。

**〈——氷と雪のために、**先の尖った蹄鉄**(caulkins)も、作られた。〉**〉

**(3)そして、**北ヨーロッパの、湿った土地**で、**馬が、農耕に使える**ようになった**。

〈**——**肩の首輪**と、**この蹄鉄**が、**そろって、初めて、**馬が、犂を引ける**。〉)

**そして、いま**。

(——**議論がある**。

〈**——**「裸足派」**(barefoot movement)。

**——**「蹄鉄は、**蹄の自然な機能を、損なう」**。

**〈——蹄は、**踏むたびに、わずかに広がる**。**

**——それが、**脚の血液を、心臓へ押し戻すポンプ**として働いている、という考え。**

**〈「蹄機作用」。〉**

**——鉄で固定すると、それが、妨げられる。〉**

**——**そして、**用途と、環境による**、というのが、**現在の、穏当な理解である**。

**〈——柔らかい土の上で、軽い作業をする馬なら、裸足でよい。**

**——競走馬と、硬い路面を歩く馬には、要る。**

**そして、**接着式の樹脂の蹄鉄**と、**着脱式のブーツ**も、使われるようになった。〉**〉

**——**そして、**装蹄師という職業は、**いまも、ある**。

〈**——**そして、**深刻な、人手不足である**、と、各国で言われている**。〉)

同じ時代のできごと

AD900年の世界を地図で見る国境・できごと・生きている人が、その年のものに入れ替わります